11年式平射歩兵砲


 平成21年3月3日

パプアニューギニア独立国・ニューブリテン島ラバウル・ココポ博物館

JAPANESE INFANTRY GUN
MODEL 11 (1922)
Calibre 37mm
Weight 205lb
Sight Telescopic
This gun could be carried by 4 men

11年式平射歩兵砲

日露戦争の体験により、いかにして敵の機関銃を撃破するかという用法が検討された結果、歩兵は後方の砲兵に頼らず自らこれを撃滅するための火砲を装備することが決定された。
大正6年(1917年)大阪砲兵工廠は試製機関銃破壊砲を試製した。
この砲は翌年、狙撃砲と名称が改められる。
狙撃砲は、歩兵が最前線において敵の機関銃座または戦車を狙撃する歩兵砲である。
同年に完成した狙撃砲は各試験部隊に配属されて試験された結果、大正11年(1922年)、11年式平射歩兵砲として制式となった。
37mm口径の砲身下に駐退器をもつ。
また、半自動垂直鎖鋭式閉鎖機をもち、後座とともに開いて空薬莢を排出して装填と同時に閉鎖した。
運搬は組み立てたまま4人で搬送するか、または分解して駄載した。

口径 37mm
砲身長 134cm
重量 90kg
初速 450m/sec
最大射程 5000m

(参考:『日本陸軍兵器集』 KKワールドフォトプレス 昭和57年発行)


【11年式平射歩兵砲】

「平射」は「直射」の意味。
大正11年(1922年)に口径37ミリの11年式平射歩兵砲が制定された。
機関銃で制圧できない敵の「抵抗巣」を曲射で、敵の戦車を直射で攻撃する歩兵の兵器と位置づけたものだが、どちらの目的にも非力で中途半端だった。
もともと第一次大戦でフランス軍が使用した37ミリの機関銃破壊砲を真似て試作されたものである。
37ミリ砲の砲架を改修し、方向射界(砲座を固定したまま砲身を左右に振れる角度)を10度から30度に拡大。
25キロの重さの防貭を固定式から取り付け式に変えるなど、重量を軽減して歩兵に使いやすくした。
しかし、砲身長がわずか28口径なので、十数ミリの厚みを持つ当時の戦車装甲板を貫通することも難しく、また曲射で敵陣を攻撃するにも威力がなかった。

(参考:徳田八郎衛 著 『間に合わなかった兵器』 光人社NF文庫 2001年発行)

(平成25年8月25日 追記)




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