九〇式野砲


 平成22年9月14日

パラオ共和国・ペリリュー島

【九〇式野砲】

陸軍はフランスのシュナイダー社から10.5cm榴弾砲を購入したが、この砲は、オートフレッタージュ、改良型駐退復座機、開脚式砲架などをもつ、極めて優秀な近代的火砲であった。
この購入契約の際、同社から見せられた7.5cm野砲は、上記の機構に加えて砲口制退器も付いていた。
陸軍ではすでに旧式化していた「改造三八式野砲」に代わる新野砲として、シュナイダー社から、この7.5cm野砲の国内製造権も購入して試製採用した。
九〇式野砲は各部にわたり新機構が採用されていただけに優秀な火砲であったが、装備する時になって参謀本部の作戦関係者の中から、師団砲兵の主力野砲としては重量が大きすぎるという意見が出た。
たしかに野砲の特長は軽量で移動に便利なものでなければならず、たとえ三八式野砲より最大射程が増大してもあまり効果はないという意見だった。
これに対して実戦部隊を代表する野戦砲兵学校の関係者は、射程の大きな九〇式野砲こそ、近代野戦砲の主力となるべきであると大いに反対した。
そのため技術本部が急遽設計したのが「九五式野砲」である。
両者は北満で実用試験を受けたが、双方譲らず、結局は九〇式野砲と九五式野砲は、ある比率をもって両方が野砲兵部隊に配備されることになった。
昭和6年の満洲事変において、両者は実戦に参加したが、満洲のような広野での作戦では、射程の長い九〇式野砲のほうが九五式野砲より優位であることが実証された。
昭和10年頃からの砲兵の機械化が進められると、当初は重量が大きすぎると非難された九〇式野砲であったが、4トン牽引車で牽引できるように緩衝バネが改良され、ゴムタイヤを装着して「機動九〇式野砲」となった。

(データ)
口径   75mm
砲身長  238cm
重量    1,400kg
初速    680m/秒
最大射程 14,000m    

(参考:『日本陸軍兵器集』 KKワールドフォトプレス 昭和57年発行)


【九〇式野砲】

九〇式野砲は、砲身の先端にお皿をかぶせたような砲口制退器をつけているのが特徴で、この装置により発射の際の反動を少しでも減少させようというのである。
昔の陸軍では7.5センチの九〇野砲だけが、この装置を付けていたのである。
6頭の馬で曳く90式野砲の欠点は重さが2トンとやや重たいことであった。

(参考:木俣滋郎 著 『陸軍兵器発達史』 光人社NF文庫 1999年発行)

(平成29年2月15日 追記)




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