５．なぜか工場見学

（統一会堂・某工場・永厳寺～ハノイ）

ホテルをチェックアウトして・・・
今日、これから工業団地にある某工場を見学するという。

何で、工場見学なんていうのが、この日程に含まれたのかというと・・・
参加者の一人が、この工場の関係者で、ツアーから別行動をして、この工場に行く予定だったらしい。
それなら、ツアーとして一緒に行こうということになったらしいのだ。（唖然）
というわけで、ベトナム戦争の戦跡を回るツアーなのに工場見学が含まれることになったのである。
まぁ、いい加減といえばいい加減である。（大汗）
こういうところがこの会社のツアーの面白いところかもしれないが・・・

当初の予定では、『統一会堂（旧・南ベトナム大統領官邸）』を見学してから工場見学に向かうはずだったのだが・・・
工場へ向かう道路が混んで、会社訪問の予定の時間に遅れるといけないので・・・
この『統一会堂』の見学は取りやめとなった！（唖然）
外から建物を覗くだけで終わり！（大汗）
優先順位が完璧に変わってしまっている。
ベトナム戦争の戦跡ツアーなのに・・・
ここを見なくては意味がない気がするんですけど・・・（大汗）

統一会堂（南ベトナム旧大統領官邸） 門の所から建物を見るだけ・・・（唖然）

ホーチミン市内から国道１号線を走る・・・

川を渡るが・・・この川の名前は何だろう？ メコン川なのかサイゴン川なのか、さっぱりわからない・・・ 得意のドコモのタブレットで地図を見るが・・・表記がベトナム語！・・・（大汗） う～ん・・・わからん・・・

約１時間ほど走る間、この会社の関係者の参加者からバスの中でレクチャーを受ける。
今から向かうのは、どうも台湾の会社らしい。
で・・・
そもそもが、この方のお父さんと台湾人の方がビジネスパートナーを組んで始めたそうで・・・
２０年ぐらい前に共同出資で中国に工場を作ったそうである。
その会社の工場が、今度はベトナムに進出したので、この方が、共同出資者の一人として（つまりは、オーナーとしてということかな？）、この会社を視察するのだそうだ。
というわけで、ついでに、我々も“見学”という形で便乗することになったらしい。

バスの中で、中国に進出するメリットとリスクの話やら、結構、貴重なお話を伺う。
テーマが違う、こういう話も楽しいものであるが・・・このツアー・・・ベトナム戦争のツアーなんだよね？（苦笑）

IDICO　Industrial　Area

約１時間後、工業団地に到着。
ここは、結構有名な工業団地らしい・・・
日本企業も進出しているのだそうで、他に台湾と韓国の企業が進出しているそうである。

得意のドコモのタブレットの地図で現在地を確認してみたら・・・
ホーチミン市の中心から直線では、それほど遠くはないのだが、川を渡ってグルリと大回りをしている。
対岸はホーチミン市の中心・・・という感じなのである。
問題は・・・市内を蛇行して流れる川か？
もう一本、広い道路と大きな橋を市の中心から直線コース上に設けたら、かなり便利になるのではなかろうかという気がする。
社会基盤の整備にもっと力を入れれば、もっと発展するかも・・・
現在は、工業団地内にはいくつもの広大な空き地が目立つ。

この某工場では、工場長など幹部が待っていてくれた。
全員台湾人である。
彼らから名刺を出されたが、申し訳ないが、このツアーは「企業視察ツアー」ではない。（大笑）
多分、ツアーの参加者の中で製造業出身は私だけではなかろうか？
どちらかというと、我がツアーは、文筆家や元ジャーナリストなど、保守派の“論客”の方々が多い。
全く商売に繋がらない相手がぞろぞろやってきたのだから、相手も拍子抜けという感じである。（大笑）

会議室での説明は、通常なら企業の概要等・・・ということになるが・・・
我々は全く畑違いの商売の方々ばかりなので、そちらの話は全くなし。
海外進出企業の一般的な話がメインとなる。

この会社・・・線材メーカーだった・・・
私の職業はスプリング・メーカーの経営者である。（大笑）
スプリング用の線材を購入して加工するのが仕事・・・
というわけで、まさか、旧知の線材をここで見学するとは・・・なんという縁なのだろう。（驚）
ステンレス線の伸線工場を見学させてもらったが、勝手に写真を撮るのは失礼かと思い写真撮影はしなかった。
見学中、ついつい昔の仕事を思い出し、ツアーの皆さんに工程や品質管理について余計な説明を・・・（大笑）
「良くご存知ですねぇ～」と言われ、「実は・・・」と私の職業を明かす。（大笑）
残念ながら、このメーカーではスプリングに使用できるほどの高品質のものは作れないようである。
「日本の企業と比べるとどの程度の会社ですかね？」と尋ねられ・・・
コッソリと・・「“中の下”といったレベルですね」（笑）
「やっぱり、その程度ですよねぇ～」
でも、品質管理は結構キチンとやっていると思うよ・・・

この会社・・・
台湾から単身赴任してきた社員が“女性問題”を起こさないため、半年、長くても１年で帰国させているのだそうだ。（大笑）
そういうこと・・・あるだろうねぇ～（苦笑）

ササッと見学を終え、近くのレストランで昼食。
この台湾企業の幹部も同席しての食事会だが、我々部外者には関係はない。
主としてこの企業を視察目的で訪れた某参加者がこれら幹部たちと食事をし、我々は別テーブルで食事をとる。

ここで１時間半近く、ゆっくりと過ごし、ホーチミン市内に戻る。
続いて向かったのは『永厳寺』というお寺である。
これもまた、参加者の中から、この寺は戦時中、仏印（フランス領インドシナ）で亡くなった我が日本軍の将兵を慰霊している寺なので、寄ってみてはどうかという話が持ち上がってのこと。
当初の旅程にはない・・・・（苦笑）
日程表では、この後は真っ直ぐ空港へ向かう予定なのだが、時間に余裕があるということで、急遽、訪問することが決まった。

CHUA　VINH-NGHIEM

このお寺は、日本に留学して修業した僧侶が建立した寺だそうで、ベトナム南部では最大級の寺院だそうだ。
旧日本軍人のお墓か慰霊碑らしきものがあるそうだが、残念ながら非公開だそうである。
それじゃ、意味がないだろうに・・・・（涙）

唯一、日本と関係があるものといえば、梵鐘くらいしかなかった。（汗）

この鐘は日本から贈られたもので、鐘には以下の文章が刻まれていた。 「右大梵鐘は日本佛教徒有縁の士が越南和平を祈念し併せて元日本軍人英霊菩提の為に永厳寺に寄進する者也 　昭和４３年１１月吉日　 　発願主 　曹洞宗大本山総持寺貫首　岩本　勝俊 　京都　三和梵鐘株式会社謹鋳」

この鐘楼の近くに碑が建っていて、そちらには、こう書かれていた。

「平和の鐘」って、どの鐘のことなんだろう？
この梵鐘のこと？
そうなると・・・鐘に書かれている内容と顕彰碑に書かれている内容が違う気がするのですが・・・（汗）
日本軍人英霊は、どこに行っちゃったのか・・・
よくわからない・・・

しかも、日本の一僧侶がテト休戦を提唱して実現させたとは初耳である。
「テト」とは、ベトナムの旧正月を指す。
この時には北ベトナム、南ベトナム双方とも休戦をするのが暗黙の了解とされていたと言われているのだが・・・
この「テト休戦」を日本の僧侶が提唱して実現させたのか？
しかし、この暗黙の了解とされていた「テト休戦」の時に北ベトナム軍とべトコン（南ベトナム解放戦線）が攻勢に出た。
これが「テト攻勢」と言われる激戦で、多くの犠牲者を出したのである。
「テト休戦」によって気が緩んだところを狙われたということだが・・・
そうなると、「テト休戦」を提唱して実現させたって、どういうことだろう？
よくわからない・・・・
こう言っては失礼かもしれないが・・・「テト休戦を提唱し実現させた」って、本当かなぁ～？

その昔、米国で開催された、ある記念式典で、「日本の宗教界を代表いたしまして・・・」と某日本の“宗教家”がスピーチしたのを現地で聞いていて大いに違和感を持ったことがある。
本当にこの人は「日本の宗教界」から代表として認められて壇上に立っているのだろうか？
どうも話が“大き過ぎ”るのではなかろうか？
実際に、自分の肩書きや手柄を、やたらと大げさに言うような人は存在する。
目立ちたがり屋なのか・・・威張り屋なのか・・・
私がどこか海外の慰霊祭で「日本を代表しまして」とか「日本政府を代表しまして」なんて発言したら、他の日本人から批判がでるだろう。（大汗）
「実現させた」って、ちよっと話を大きくしていないか？

この碑文・・・違和感を感じるんですけど・・・申し訳ないのですが・・・（大汗）
碑文というのは、破壊されない限り、いつまでも後世に残るからなぁ～
こういう書き方はどうなのかなぁ～
立派な人だったのだろうが・・・
どうも引っかかるんだよねぇ～・・・・こういう碑文は・・・・

このお寺を１５分程度見学して空港へ向かう・・・・

午後３時少し前に空港に到着。 これから、午後４時３５分発のＶＮ２５４便でハノイへ向かう。 ここホーチミンは１０年前に一度来たことがあるが、ハノイは初めてである。（喜）

飛行機は定刻通りに離陸・・・
ホーチミンからハノイまでの飛行時間は約２時間である。

一応、軽食の機内食のサービスがあった。（喜）

ハノイの「ノイバイ国際空港」に到着して、真っ直ぐ夕食会場へ・・・
レストランは、フランス統治時代に建てられた洒落た建物・・・
夜じゃなければ写真が撮れたのに・・・残念である。（涙）

夕食後、『ハノイ・デーウー・ホテル』にチェックイン。
なかなか豪華なホテルである。
韓国系資本のホテルだそうである。

HANOI　DAEWOO　HOTEL　ロビー

部屋もなかなか綺麗である！

	室内

何が嬉しいって・・・灰皿があった！（大喜）
今ではどこでも禁煙室なのに、この部屋は喫煙できるのである！
こんな嬉しい事って、そうそう滅多にあるものではない・・・（大笑）
ウェルカムのサービスの果物も嬉しいが・・・それ以上に灰皿が嬉しい！（大笑）

時刻は夜１０時を過ぎた・・・

さて・・・またまた“悪い虫”が騒ぎ出してきた・・・（大笑）
ハノイに宿泊するのは今晩だけで、明日は帰国である。
全然どこも見て歩かないというのはもったいない。
というわけで・・・いつものように「夜の冒険」に出かけることにした。（大笑）

基本的には、ホテルを中心に同心円状にグルグルと歩き回ることにする。
そうすれば、そう滅多には迷子にはなるまい・・・と思うのだが・・・
それでも時々迷子になるから、う～ん、今晩はどうなるか・・・（大汗）

ホテルの周囲は閑散としているようだが・・・
どのあたりに繁華街があるのか・・・・これは“本能”というか（笑）、自分の勘に頼って探さねばならない。
現代はネットを使って調べればすぐにわかるのかもしれないが・・・それでは面白くないのである。（笑）
自分の勘を頼りに右に曲がり左に曲がり・・・と歩き回る。

途中、飲み屋街を見つける。
看板が日本語で書かれていたのには驚いた。
ということは・・・結構、このあたりは日本人が進出しているということか？
「日本語・英語が話せる女の子がいます」などという日本語の看板まで出している店を数軒見つける。
が・・・少々疲れているし、女の子とおしゃべりしたいという気も起こらないし・・・ということで・・・無視！（笑）
近くの池の畔の公園には、もう夜も１１時を過ぎているというのに若い男女のグループが車座になっておしゃべりをしていた。
こんな時間に何をしているんだ・・・こいつらは・・・と思ったが・・・
考えてみると、こんな時間にウロウロしている私も「何をしているんだ」と言われてもおかしくはない。
他人のことを、とやかく言える立場ではないかぁ～（大笑）

グルリと回って、ホテルの前を通過して反対側の“地域”を散策してみる。
と・・・薄暗い歩道に女の子が２人立っていた・・・
どう見ても“普通の”女の子ではなさそうである。
まもなくバイクに乗った男が近づき、何やら話をしていたかと思ったら、その女の子がバイクの後部に乗って走り去った・・・
ん？・・・ストリートガール？
更に歩いていたら、今度はバイクに跨った女の子に出会う。
薄暗いところからいきなり声をかけられたが・・・
ベトナム語である！（笑）
当然、私はベトナム語など理解できない・・・・（大笑）
何を言われたかは想像するしかないが・・・たぶん・・・そういうことだろう・・・（大笑）
はい・・・無視！（大笑）

１時間以上も歩き回っていると喉も渇く・・・
どこかにコンビニはないかと探したが・・・ない！（汗）
スターバックスのようなコーヒーショップはないかと探したが・・・それもない！
かといって、飲み屋に入る気は起こらない。

ついに限界に達し・・・（涙）
ホテルに戻ることにした。
“夜の冒険”は、これで終了・・・・

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