2.俺の顔に文句があるのか!

(成田〜マニラ)


平成21年(2009年)4月23日(第1日目)

朝食をとり、ホテルの送迎バスで成田空港へ・・・・
ここで、旅行会社の社長の倉津さんと待ち合わせ。
航空券(Eチケット)を彼女から受け取り、チェックインカウンターへ・・・・・
予定より少し早目に到着したのだが・・・・フィリピン航空のカウンターの前は長蛇の列!
なに・・・これ・・・
相変わらず乗客はフィリピン人の女性が多いが、日本人と結婚したのだろうか、家族連れも結構いる。
で・・・荷物も多い・・・そのせいか、チェックインがなかなか終わらないので全然前に進まない。
だいたい、フィリピンの女って強引で生意気なのが多いんだよなぁ〜
強引に持ち込んだ荷物が重量オーバーで揉めているんだろう。
大人しく引き下がらず、グダグダ粘るから、いつまでたっても処理できない・・・ということだろう。
いつもは、リュック一つなので、機内に持ち込んでしまうから預ける荷物はない。
それで、別のカウンターに案内されて早々とチェックインしてしまうのだが・・・今回はそうはいかない。

藤井さんの荷物があるから、延々と列に並んで待つしかない。
と・・・・「ちょっとトイレに行ってくる」と言って藤井さんが列から抜けた。
あ〜こりゃ参ったなぁ〜
一緒について行ってあげたいけど、ここで列から抜けたらまた一番後ろに並び直さねばならない。
しかし、一人で行かせたら・・・・迷子になりはしないか?ちゃんと戻って来れるだろうか?
こういう事態になることを想定していなかった。
やっぱり一人で面倒をみるというのはなかなか難しい。
私は身動きが取れないので、仕方がない・・・・一人でトイレに行ってもらう。

かなりの時間待つが・・・・
藤井さんは戻って来ない・・・・
まずい・・・迷子になっちまったか?
まもなくして、倉津さんに連れられて戻ってきた!(笑)
いやぁ〜彼女がいてくれて助かった。

昔は、代表者だけがチェックインの手続きをすれば良かったと思ったが、今は、そうじゃないらしい。
昔は誰か一人にチェックインを任せてみんなでどこかに座って待っていたもんだが・・・
一緒に乗る人もカウンターの所にいなければならないそうだ。
ご高齢の藤井さんを延々と立たせておくというのも気が気ではない。
疲れてぶっ倒られたら一大事なので、どこかに座っていてもらいたいが、そういうわけにはいかない。
杖をついて立っている藤井さんにハラハラ・・・である。

ようやく我々の順番がきた。
モタモタと遅かったのは、乗客のせいの他に、どのカウンターに並ぶかを指図する女性職員の要領の悪さにもよるものだった。
馬鹿じゃないか・・・・と思うくらい要領が悪い。
これじゃ、いつまでたっても前に進まないはずだ。
で・・・我々のチェックイン・・・・スムーズに行くかと思ったら・・・・
カウンターの女子職員が近くの男子職員を呼んで何やら耳打ちをした。
すると男子職員がいきなり拙者に向かってこう言ったのである。
「そのお顔はどうされました?」
「なに?顔?」
「ええ、お顔です・・・」
「俺の顔がなんだっていうの?」
「お熱でもあるように見受けられますが・・・・そのお顔・・・・どうされました?」
「熱なんてないけど」
「むくんでますよね?お顔・・・」

なんだこの野郎!
言葉は丁寧だが、言っている内容はかなり失礼な内容である!
どうして今の若い連中ってこういう奴が多いんだろうか?
言葉は馬鹿丁寧で敬語の乱立だったりするが・・・・
その内容は全然丁寧ではないのである。
まさしく、「慇懃無礼」というやつである。

「顔?俺の顔?むくんでなんかないけど」
「いや、どうみてもむくんでいるように見えますけど・・・」
「なんだって?むくんでるって?じゃぁ、むくむ前の俺の顔を見たことがあるのか?」
「いえ・・・なんでもなければ、それでいいんですけど・・・・」
この野郎、ぶん殴ってやろうかなと思ったが・・・・藤井さんの前で喧嘩するわけにもいかぬ。

「なんでもなければ、それでいい・・・」って何だ?
散々、他人に不愉快な思いをさせておいてケロリとしていやがる!
この男・・・フィリピン航空の社員か?
俺の顔が“おかしい”とチクった女もフィリピン航空の社員か?
時間に余裕があれば上司を呼びつけて文句を言うところだが・・・
さんざん待たされたため時間に余裕はない。
チクショォ〜!!である。
“はらわたが煮えかえる”とは、まさしくこのことぞ!!

倉津さんも私の怒りに、さすがに顔色を失ったようだが・・・
「私も以前、眼の下に“クマ”があると言われて搭乗を拒否されそうになったことがあるんですよ」と取り成す。
彼女の話では、最近のフィリピン航空では病気ではないかと疑わしい者に対しては搭乗を拒否することにしているそうだ。
それならそうと、まず質問する理由を言ってから私の顔のことをとやかく言えばいい。
いきなり「顔!顔!」と言われたのでは、不愉快極まりない!

フィリピンでは必ずと言っていいほど1回はどこかで不愉快な思いをさせられるが・・・
まさか出発前の成田空港でこのような不愉快な思いをさせられるとは思わなかった。

とにかくチェックインはできたので・・・倉津さんの見送りを受けて、急いで出国手続きへ・・・・
早目に搭乗口まで行って、そこでゆっくりしよう!
で・・・もう1回、藤井さんにはトイレに行ってもらう。
で・・・・はい!無事に搭乗!

機内食

無事に(当然ですが・・・)マニラ空港に到着。
荷物を受け取って、迎えの現地旅行社社員と合流。
空港の外でガイドのステラさんを待つ。
が・・・・藤井さんの様子がおかしい・・・・・
憧れのフィリピンに来て大喜びしてくれるかと思ったら・・・・二コリともしない・・・・・
あれ?顔がこわばっていますけど・・・・・(笑)
緊張の極致・・・・と言ったところか?
大丈夫かな?

迎えのワゴン車に乗ってホテルに向かう。
ステラさんがホテルのチェックインの手続きをしてくれている間、コーヒーラウンジでコーヒーを飲んで待つ。
「このホテルはいつも私が泊まるホテルでしてね。毎回ここに泊まるので、ホテルの従業員も私の顔を覚えてくれているのが結構いるんですよ」
「へぇ〜」
「で・・・ここに到着したら、毎回、まずはここでコーヒーを1杯飲むことにしているんです」
「へぇ〜そうなの?」
「そうなんです。前回もちょうどこの席に座ってコーヒーを飲んでました」
「そう?いつも?(笑)」
ようやく藤井さんがニコリと笑ってくれた。(笑)
あ〜よかった。

チェックインの手続きも済み、次は両替・・・・・
ステラさん個人に両替を頼む。
多少の手数料は取るのだろうから、彼女にとってもメリットがあろう。
それでもホテルのフロントや銀行よりはレートはいいんじゃないか?
「じゃぁ、俺も・・・」と藤井さんが財布を取り出した。
「いや、いや、私が両替して、今回の旅行の支出は私が行いますから・・・・」
「え〜・・・・でも・・・」
「下手に財布を出したりすると何かあるといけませんから、お金のことはすべて私が管理しますよ。でも、何か個人的にお買い物なんかでお金を使いますか?」
「いやぁ〜何も買うつもりはないけど・・・」
「じゃぁ、両替は必要ないです。帰国した時にまとめて日本円で請求しますから・・・」
お年寄りですからね〜
街の中でお財布なんかを不用意に出されたのでは危なくて仕方がないもんね。(笑)

まだ、午後3時だが、これで今日の予定は終了!(笑)
今日はマニラに泊まるだけである。
時間は十分あるので、普通なら近くを散策するとか、観光するとか・・・・というところだが・・・
藤井さんはマニラには何の思い出もないから、どこかに出かけるという気はないという。
戦時中、マニラ港沖に停泊した輸送船からマニラの町は見たことはあるが、上陸したことはないというのである。
だからマニラの観光をする気はないのだそうだ。

今回の旅のメインはミンダナオ島である。
初日からハードスケジュールで疲れさせてはマズイだろう。
ここは、部屋でゴロゴロとゆっくり過ごしてもらった方がいいかもしれない。
ということで・・・外には出掛けないことにした。(笑)

今日からのフィリピンでの宿泊は藤井さんとは別々の部屋である。
当初は、旅費を安くするため一緒の部屋に泊まろうと思ったのだが・・・
なんと!
藤井さんの生活パターンは夜7時に寝て朝の4時か5時には起きるというものなのである!
ゲゲゲッ!(笑)
いくらなんでも、夜7時は早いでしょ!(笑)
私は午前0時になってもなかなか寝られない男なのである。
藤井さんに付き合ったとしても午後9時だな・・・・午後7時就寝は・・・無理!(笑)
ここで藤井さんの生活パターンをあまり変えると体調を崩す恐れがある。
というわけで・・・藤井さんとは別々の部屋にしたのである。
ステラさんが気を利かしてくれて部屋はドア1枚で行き来できるコネクティングルームをとってくれた。
こりゃ便利である。
いちいち廊下に出なくても部屋がドアでつながっているから楽である。

ホテルの部屋

夕食はホテルのレストランでバイキング。
藤井さんは好き嫌いがないというので助かったが・・・・
このホテルのバイキングは種類が豊富で、洋食はもちろん、中華も日本食もある。
で・・・・藤井さん・・・・・
バイキングの一番端から几帳面にも一つ一つ取っているのである。
あの・・・それ・・・全部・・・チキンですけど・・・・(笑)
「藤井さん!端から取って行ったのでは全部食べきれませんよ〜!間違いなくデザートまで行きつくことはないと思いますけど!(笑)」
「え?そう?」
「チキンだけでお腹一杯になっちゃいますよ〜(笑)」
「おおっ、そうかぁ〜(笑)」

片っぱしから端から取る藤井さん(笑)
夕食
夕食
夕食

今日の夕食はこのくらい食べれば私は十分である。(笑)
デザートだけでも・・・・こんなにあるんだから、食べきれない。

デザートコーナーの一部(笑)

食後、藤井さんの部屋でおしゃべり。
午後7時・・・・
藤井さんには、いつもの時間に就寝していただき、私は自分の部屋でテレビを見ながらゴロゴロすることにする。
無事何事もなく、一日が終わってくれた・・・・ありがたし!!


  


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