歩兵第50連隊

(通称号:雷3215部隊)

編成地 編成時期 終戦時の上級部隊 終戦時の所在地
松本 明治38年 第29師団 テニアン島

明治38年3月31日編成下令され、独立第13師団の隷下に入る。
編成完結後、日露講和を有利にしようとする政府の方針により、急遽、樺太の占領にあたる。
日露講和後、一時、台湾守備に任じる。
その後、明治39年4月から約2年間にわたり韓国に派遣される。
明治41年11月3日に長野県松本に兵営が完成したので、連隊は独立第13師団から新潟県高田の第13師団隷下に入る。
この時に、長野県下で徴兵された最初の初年兵が入隊し、名実ともに「長野の連隊」となる。

大正2年3月、第13師団に南満州駐在が命じられ、連隊は約2年間、鉄嶺に駐屯。
一度帰還し、次には1年半にわたった「シベリア出兵」に参加。
「シベリア出兵」から帰還後、大正14年、軍備縮小で第13師団が廃止となったため、栃木県宇都宮の第14師団に編入された。

昭和2年4月、第14師団の満州駐在に伴い、連隊は関東州柳樹屯に駐屯。
昭和3年5月、同じ第28旅団の高崎連隊と共に「山東出兵」に参加し、済南で蒋介石の南軍と激戦を交える。
その後、遼陽に移駐し、昭和4年4月に内地に帰還。
満洲事変では第14師団の各連隊とともに上海に上陸。
満洲に転進して馬占山軍と戦闘を交える。
昭和9年5月、松本に帰還。
昭和12年7月7日、盧溝橋事件勃発。
日中全面戦争に拡大したため、8月14日に動員下令、4度目の中国派遣。
塘沽に上陸し、列車で前線に向かい、保定付近で中国軍の追撃を行う。
以後、河北省、河南省、山西省と転戦を重ね、この間に徐州会戦にも参加する。
昭和14年12月、松本に帰還。
軍備改編により第14師団から新設の第29師団に編入となる。
昭和16年4月16日、満洲派遣。遼陽に駐屯。
第29師団は関東軍直轄の戦略予備兵団として対ソ戦に備える。
昭和19年2月10日、第29師団に対し中部太平洋派遣命令が発令。
第29師団の歩兵第50連隊(松本)、歩兵第18連隊(豊橋)、歩兵第38連隊(奈良)は朝鮮の釜山に列車で集結。
輸送船安芸丸、東山丸、埼戸丸にそれぞれ分乗し、サイパンへ向かうが、途中、歩兵第18連隊乗船の埼戸丸が米潜水艦の攻撃を受けて沈没、師団司令部主力と歩兵第38連隊乗船の安芸丸も雷撃を受け被害を被ったが沈没は免れた。
当初、第29師団の各連隊は、歩兵第50連隊がサイパン島、歩兵第38連隊がグアム島、歩兵第18連隊がテニアン島に上陸するはずであったが、歩兵第18連隊が壊滅状態となったため、歩兵第50連隊がテニアン島に上陸することとなる。
連隊は第1大隊をサイパンの師団直轄部隊として残し、主力はテニアン島の守備についた。
テニアン島の守備隊は、緒方連隊長以下歩兵第50連隊が約2800名、歩兵第135連隊第1大隊950名、歩兵第18連隊の戦車中隊などを中心とする約4000名と、第1航空艦隊を中心とする海軍部隊が約4100名、合計約8100名である。
昭和19年6月15日、米軍がサイパン島に上陸。
7月7日にサイパン島が玉砕。
7月21日にはグアム島に米軍が上陸、その3日後にはテニアン島に米軍が押し寄せた。
その数約3万名。
テニアン島は平坦地のため守備隊は身を隠す遮蔽物もない。
猛烈な砲爆撃に曝され、戦闘初日で主力の大半を失う。
戦闘10日目の昭和19年8月2日、緒方連隊長は民間人義勇隊を含めた約1000人の残存兵力を自ら率いて最後の玉砕攻撃を敢行し、壮烈な戦死を遂げる。
ちなみに、テニアン島で米軍の捕虜となった日本兵は313名である。


旧歩兵第50連隊跡碑



「旧歩兵第五十聯隊跡」碑
(長野県松本市美須々)





(平成20年10月25日)

碑文

明治38年4月歩兵第50聯隊編成
同月15日軍旗拝授
樺太出征台湾及韓國守備を経て明治41年(1908)松本兵営入城
大正年間満州守備西伯利亜出兵
昭和に入り満州守備済南満州日支各事変に参加
昭和16年満州移駐其後新に歩兵第150聯隊等編成
同年12月大東亜戦争勃発各隊前後して参加
同20年(1945)8月15日終戦解隊同時聯隊区司令部陸軍病院等亦廃止
入城後38年間入退営したるもの数萬戦没将兵数千に及ぶ
當初聯隊入城するや全市を挙げて歓呼之れを迎え爾来松本市は画期的変展を遂げるに至った
本碑の東南一帯旧陸軍用地十数萬坪であった
茲に発起人代表野口金一郎並細見惟雄外4千名記念碑を建て由緒を明にす

委員細見書

昭和33年4月29日建之


歩兵第50連隊跡
松本美須々ヶ丘高校 信州大学

旧糧秣倉庫(信州大学内)


奉納 一位

奉納 一位
長野県護国神社

松本五十聯隊 通信隊戦友会
テニアン島緒方部隊 通信隊戦友会
同 遺族一同
昭和51年2月15日テニアン島33回忌慰霊祭記念
(説明札より)

(平成20年10月25日)



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