6.戦跡を巡りながらマニラに戻る


 平成22年(2010年)3月21日 (第3日目)

川を渡る・・・ほとんど水がないが・・・
これはカガヤン河か?
田んぼ!・・・ここは穀倉地帯か?

マニラに戻る途中、「ソラノ」という町で車を止めてもらう。

この旅に出る前に我が戦友会の宮澤さんにお手紙で北部ルソンへ慰霊に行くことを伝えた。
お返事には、宮澤さんは、終戦の時、山から下りてきて「ソラノ」という町で米軍に投降したという。
宮澤さんは当時、戦車第6連隊の指揮班長。
大東亜戦争緒戦のマレー半島攻略戦にも参加した歴戦の勇士。
以前お会いした時に「勝ち戦と負け戦の両方体験しているんだ」とおっしゃっておられた。
今年、94歳になるだろうが、まだまだお元気なご様子。
しかし、もうここへ来ることは年齢的にも無理だろうから・・・
「思い出の地」の写真を撮って送ってあげようと思うのである。
「今は、こんなふうに変わっています」というご報告をしてあげよう!
というわけで・・・私の都合でこの町に一時停止!(笑)

日本軍の高射砲が置いてあったので、その周辺の写真を撮るが・・・
ついつい興味は大砲の方へ・・・(笑)
刻印を探したが残念ながら見つからなかった。
う〜ん・・・なんていう高射砲なんだろうか?
八八式7.5センチ野戦高射砲のような気もするが・・・・
第14方面軍の直轄部隊に野戦高射砲第84大隊というのがあったから、その部隊のものかも・・・・

車輌で牽引できる砲架が付いたままというのは珍しい

本当は、道の向こう側からも撮影したいのだが・・・
そんなことをしたら、“ステラさん”が血相変えて追いかけてくるのは間違いない。(笑)
私としては、どうしても写真のアングルというのを考えてしまうのだが、「ガイドさん」というのは、そこまでは考えない。
一人で道路を渡るなんて、とんでもない!危ないですからやめて下さい!・・・ということになる。
あまり心配をかけては申し訳ないので・・・ここは、我慢、我慢・・・
取りあえず、宮澤さんへご報告用の写真を撮れたからいいかぁ〜
うまく町の様子を伝えるアングルでは撮れなかったが、やむを得ない・・・・

と・・・ここで気が付いた!
エチアゲ!!!
しまった!忘れていた!
エチアゲの飛行場跡に行くのを忘れてた!
たしか・・・大本営特種情報部の河原井さんは、このエチアゲの飛行場から台湾へ脱出しようとしたと以前、本人から聞いた記憶がある。
その飛行場跡の写真も撮影しようと思っていたのに・・・すっかり忘れていた!
やっちまったぁ〜
フィリピンへの米軍の反攻が始まった頃だと思うが、大本営から在フィリピンの特種情報部員に帰国命令が出た。
特種情報部は米軍の暗号解読をしていた部門である。
フィリピンには15名ぐらいいたようで、各自、それぞれバラバラに別れて脱出を試みたという。
たしか、エチアゲで台湾から来る飛行機を何日も待ち続け、ようやく来た飛行機に乗り込もうとした時のこと。
ちょうど、同じように飛行機を待っていた陸軍大尉さんがいたという。
河原井さんは当時独身、その“大尉さん”は妻子持ちだったという。
さぞかし1日でも早く日本に戻りたいだろうということで、席を譲ったそうだが・・・
残念ながらその飛行機は台湾に着く前に米軍の戦闘機の餌食となってしまった。
「あの時に席を譲らなければよかった・・・」と今でも後悔していると言っていた。
しかし、これも“運”である。
結局、特種情報部員の中で無事に日本に帰ることができたのは、海軍の潜水艦に便乗した1人と河原井さんの2人だけ。
他の人達は、飛行機を撃墜されたり、その後行方不明になったりで帰還していない。
その後、飛行機で脱出したが、エチアゲから飛行機で脱出したのか、アパリまで行って脱出したのか・・・
肝心なところが思い出せないのだが、少なくともエチアゲの飛行場は「思い出の地」のはず。
そこの写真を撮って送ってあげようと思っていたのだが・・・
忘れちゃった!
大失敗!

一人でまた来るしかないな。
どうして肝心なことを忘れてしまったのだろうか・・・
いや、なんで思い出さなかったんだろう?
もしかしたら、「もう1回、こっちへ来い」と英霊がそうさせたのかな?(笑)
そういう気がしないでもない・・・

戦時中、日本軍の兵站病院があった「アリタオ」と「サンタフェ」のほぼ中間地点に「南ボネ」と呼ばれた場所がある。
地図にも載っていないような場所だが・・・
そこに「戦車撃滅隊」の慰霊碑があるので、立ち寄ってお参りすることにした。
時刻は午前10時10分・・・・
最後に訪れたのは、平成17年だから、5年ぶりの訪問となる。
5年も経つと景色が変わるものだ・・・・
当時は、この慰霊碑がある個人の敷地の周囲には柵などはなかったが、いつの間にか柵が出来て、標柱まで建っていた。

戦車撃滅隊終焉之地

第14方面軍教育隊(威17669部隊)

2006年3月吉日建之

ここには第14方面軍教育隊の幹部候補生約500名が道路の脇に“タコつぼ”を掘って、“蒲団爆弾”(座布団のような形の爆弾)を抱えて潜み、敵戦車が来た時に飛びだして体当たり攻撃をかけた場所。

南ボネ

慰霊碑のある個人宅の前の道路

この向こうから米軍の戦車がやってきて・・・・
幹部候補生たちが体当たり特攻をかけたが、飛びだすタイミングが早すぎたため敵戦車の機銃でことごとくなぎ倒されたという。
500名のうちの殆どがここでやられたそうだ。
それを見ていたのが、このすぐそばにある高地に陣を張っていた「尾田部隊」の中村さん。
我が戦友会の会員である。
「尾田部隊」は戦車第2師団が北部へ撤退する時の殿(しんがり)を務めたという。
装備は全て米軍から分捕ったものだったそうで、おかげでかなり強かったとか。
武器が米軍のものだと日本軍も強いのだ。(笑)
明治時代の鉄砲を使っていたのでは、勝てる戦いにも勝てねぇわなぁ〜

家の後ろに見えるのが「ボネ高地」
この高地の左のほう・・・ちょうど屋根の後ろあたりに見える窪地に中村さんの陣地があった。
で・・・そこから右の方の大きな窪地のところが「大隊本部」があった場所だったと思う。
この高い位置から見ていたらしい。
「まだだ、早まるな!」と叫んでも道路上まで聞こえるわけがない。
あれよあれよという間にみんなが飛び出してしまい、あっという間にバタバタと倒れる。
そのうち、この高地にも戦車砲を撃ち込まれ、中村さんのすぐ近くにいた戦友が吹き飛んだ。
たしか・・・そういう話を聞いたことがある。
一度、この高地に登ってみたいと思っているのだが、今もって実行できないでいる。
この高地から見降ろす場所に、やたらと蛍が集まる大木があったそうだ。
まるでクリスマスツリーのように輝いていたとか。
その大木って、どこにあったのだろう・・・
ずっと気になっていたのだが・・・うっかり、その大木を探すのを忘れた!
なんと忘れっぽい性格なのか・・・情ない・・・

第14方面軍教育隊 威第17669部隊
戦車撃滅隊英霊追悼碑

昭和63年2月吉日 生還者有志
ちょうど庭で子供たちが遊んでいたので・・・・
佐藤さんから子供達にお菓子をプレゼント!

慰霊碑にお線香をあげてお参りする。

その後、「サンタフェ」のガソリンスタンドでトイレ休憩をして、更に南下・・・・
各地の慰霊も終わり、とにかくマニラへ急げ急げ!(笑)
昨日、来る時にトイレ休憩で立ち寄った「サンホセ」のレストランで昼食を食べる。
ちょうど時刻は12時!
いやぁ〜なんとスムーズな・・・・
こんなに予定通りにトントンと進むなんて・・・
これは英霊のご加護だな。

昼食
今回の旅で我々が使ったワゴン車・・・

午後3時前には高速道路に乗り、一路マニラへ向う。
遠くに「アラヤット山」が見える。
戦時中、「フク団」と呼ばれるゲリラの本拠地だった山だが・・・今はどうなのだろうか?

途中のサービスエリアで休憩!
なにせ私と“ステラさん”はスモーカーなので、ちょくちょく休憩してタバコを吸わないと・・・死んじゃうのだ!(大笑)
コーヒーを飲んで一服・・・・
コーヒー代は、事前の約束どおり、今回の旅の案内の謝礼として・・・・(笑)・・・・佐藤さんにご馳走になる。
感謝!感謝!

高速道路のマニラ市内の入り口はかなりの渋滞が予想されたが、時刻が早かったせいか、思ったよりスムーズに市内に入れた。
これがちょっとでも遅くなると大渋滞となる。
嘘みたいに空いている・・・・なんと運のいいことか・・・
「これは、おじいさんたち英霊が、慰霊に来てくれてご苦労さん、お礼に帰りはスムーズに帰れるようにしてあげると言って、やってくれたんじゃないか?」
「そうかもしれな〜い!」(笑)

で・・・まだ、外は明るいし・・・このままホテルにチェックインするのはもったいない。
車窓からマニラの市内観光をすることにした。
当初は、観光は不要とのことだったが、マニラ市内を見ないで帰国というのも如何なものか。
車窓からでもいいから、ちょっとだけでも有名な場所を廻っておいた方がいい気がする。

「リサール公園」の周りを走り、「フォート・サンチャゴ(サンチャゴ要塞)」の入口へ・・・
本来はここから徒歩で城壁内に入り、ホセ・リサールの記念館を見学ということになるが・・・・
車窓から城壁を見るだけに留める。
続いて、スペイン時代の要塞都市「イントラムロス」を通って、世界遺産の「サン・オーガスチン教会」へ・・・
パッとしない建物なのだが(笑)、一応、世界遺産なので車から降りて見るのもいいかなと思ったが、“お母さん”は降りる気がないとのことなので軽く通過!(笑)
写真撮らなくていいのかなぁ〜、一応、世界遺産なんだけど・・・(笑)

マニラの市内観光はこれで終了!(笑)
ホテルにチェックイン。


  


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