静岡県掛川市
平成16年11月28日
淡山翁たんざんおう記念報徳図書館
県指定有形文化財建造物(平成13年11月26日指定)
竣工年
昭和2(1927)年7月23日。県内最古の民間の図書館です。
規模等
鉄筋コンクリート造(RC造)、2階建て。
建築面積96.6㎡(実測)、延べ床面積179.4㎡
特徴
外観は黄褐色のタイル張り、装飾様式は当時流行していたアール・デコの影響がみられます。
また、内室には禅宗寺院の桟唐戸さんからどに似た扉があるなど、和洋の要素を見事に取り入れたデザインになっています。
建物は、昭和27年から昭和44年までの間、掛川町立、市立図書館として使用され、掛川市や近隣の人々の学習の場として親しまれ、貴重な教育文化施設としての役割を担いました。
(説明板より)
RC造
明治末年にわが国で採用され始めた構造で、大正期になって、特に関東大震災(大正12年)以後、その耐震性、耐火性が強く認識され、役所、銀行、学校、駅舎に採用されるようになりました。
しかし、昭和初期のRC造は多くが取り壊され、現存している例が少なく、この図書館建物は貴重な文化財であるといえます。
アール・デコ
「装飾芸術(art decoratif 仏語)」の略称。
20世紀前半にフランスを中心に流行。
工芸などのデザインに幾何学的形態や機能美を強調した。
(リーフレットより)
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1階 |
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2階展示コーナー (平成16年11月28日) |
報徳図書館の歴史
大正4年 | 1915年 | 大日本報徳社社長・岡田良一郎が没する。享年77歳。 淡山たんざんは良一郎の雅号で、ふるさとの山、粟(淡)ヶ岳にちなむ。 良一郎は県会議員、衆議院議員として活躍するかたわら、私塾「冀北学舎」を設けて 郷土の教育、人材養成にも貢献した。 |
大正9年 | 1920年 | 大日本報徳社は功労者であった岡田良一郎の功績をたたえ、13回忌の記念事業 として図書館建設を計画する。 |
大正15年 | 1926年 | 淡山記念報徳図書館建設委員会が組織され、建設計画に着手する。 寄付金の申し込みが2万円を突破した。 11月25日に起工式を挙行する。 |
昭和2年 | 1927年 | 建設工事が竣工して、西洋館建物が完成する。 工費は22,220円63銭で、10月下旬に図書の搬入、外部附属庭園の植樹を完了した。 11月1日に落成式を挙行する。 |
昭和3年 | 1928年 | 6月20日に開館式を挙行し、活動を開始する。 図書数は2,817冊であった。 |
開館後、町立図書館が開館するまでの間、24年間にわたって一般に開放された。 | ||
昭和27年 | 1952年 | 掛川市が借用し、6月1日に町立図書館として、使用を開始する。 (昭和29年の市制施行に伴い市立図書館となる。) |
昭和44年 | 1969年 | 市立図書館としての使用が終わる。 市立図書館は市文化センター内に移転した。) |
昭和56年 | 1987年 | 大日本報徳社所蔵図書の一部9,248冊が市立図書館に寄託される。 |
以後、報徳図書館は報徳社の研修会場(報徳大学等)や書庫に利用された。 | ||
平成7年 | 1995年 | 大日本報徳社建物群の一つとして、淡山翁報徳図書館建物も市指定文化財となる。 |
平成12年 | 2000年 | 市の補助によって建物修復工事に着手する。 市は1億円を交付した。 |
平成13年 | 2001年 | 修復工事が終了し、掛川市立中央図書館とともに新装オープンして建物の公開を 開始する。 「報徳図書館と掛川市立中央図書館」が県都市景観賞を受賞する。 報徳図書館が静岡県指定文化財となる。 |
(リーフレットより)
見学の案内
公開日:中央図書館開館日
開館時間:10時~16時
館内案内:
1階 入口(書庫は公開しません)
2階 展示コーナー
報徳図書館の説明、掛川の報徳社や各地の報徳運動の紹介、掛川の歴史など
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