4.栁本大隊本部跡

(アンヘレス)


平成25年(2013年)2月7日・3日目

ディソンさんの家から帰る途中、古い教会の近くを通る。
あっ・・・そうだ!
ディソンさんが栁本大隊の本部は、この教会の隣りの学校のところにあったと言ってたっけ・・・
ステラさんが「車を止めましょうか?写真を撮るでしょ?」と言う。
私の行動パターンをよくご存知なので助かる。(大笑)

車を教会の駐車場に入れて、みんなには待ってもらい、一人で写真撮影に出かける。

「ホリー・ロザリー大聖堂」・・・・
その向こうに見えるのが、「ホリー・ファミリー・アカデミー」という学校・・・
この学校のところに大隊本部があったという。

ホリー・ロザリー大聖堂 ホリー・ファミリー・アカデミー

当時、大隊本部があった学校は、綺麗な建物に立て替えられていた。
戦時中のままのわけがないから、当然だが・・・(笑)
あ~・・・栁本さん・・・ここにいたんだぁ~・・・・

学校の前の道

道路を渡り、写真を撮っていたら、私に向かって大声で何かを叫んでいる“オヤジ”がいる。(笑)
何を言っているのかさっぱりわからんが、私を呼んでいることは確かなようである。
これが一人旅なら、ヒョコヒョコとそちらに向かいますが・・・(笑)
なにせ、駐車場の車の中に館長さんやステラさんを残したままなので自由が利かぬ。
仕方がない・・・無視しよう!(大笑)

まもなく、ステラさんが道路まで出てきてキョロキョロしているのが見えた。
写真を撮りに行ったまま、なかなか戻ってこないので心配して様子を見に来たのだろう。
私は、ちゃっかり、道路を渡って反対側の歩道に立っていた。
いつものことである。
「危ないですから」と言われても勝手に行っちゃうんだよね。(笑)
ステラさんが、ようやく気が付き、私の顔を見てニヤニヤ笑っている。
「またやりましたね!」と言いたいところなんだろうなぁ~(笑)

写真を撮って、無事に車に戻る。
さて・・・お昼、どうしようか・・・
館長さんが知っているレストランに行こうということになる。

そのレストランは幹線道路から離れた住宅街のような場所にある小さなレストランだった。
「ここの料理は美味しいんですよ」と館長さん、お勧めのお店である。
どうやらこのレストランは、退役米軍人の溜まり場のようなお店である。

店に入り、奥の部屋に向かう。
西部劇に出てくる酒場にあるようなドアを通ると、そこは、まさしく西部劇の酒場みたいな感じ・・・
退役米軍人の“おじいちゃん”たちがいて、白人以外はウェイトレスと我々だけ・・・(大笑)
壁には、米軍の部隊のマークやら、何やら軍人の写真や書類等が貼られている。
例えていえば、ロータリークラブのような「クラブ」の会合場所のような感じ・・・(笑)

レストラン

左手前:ガイドのステラさん
左奥:退役軍人のトーマスさん
右:クラーク博物館長のイエペスさん

席に着いたら、早速、“おじいちゃん”がやって来た。
なにせ、館長さんは顔が広い・・・誰もがフレンドリーに彼女に挨拶してくる。
昨日お会いした“フクダさん”の話しによれば、館長さんは、終戦後、クラークに進駐してきた米軍の司令部の秘書になり、そのまま何十年も秘書を続けて、「クラークの主(ぬし)」のような存在なのだといっていたが、確かにそのようである。(笑)

この“おじいちゃん”・・・退役米空軍の大尉である。(写真の帽子を被っている人)
名刺を交換して、しばし、おしゃべりをする。
が・・・年寄りの英語は聞きづらい・・・(これは日本の老人でも同じだが・・・)(大笑)
自分の著書はネットでダウンロードできるようにしてあるから、ダウンロードしてくれとか何とか言っている。
米軍を退役して、現在は作家なのだそうだ・・・

で・・・これが、このおじいちゃん(トーマスさん)の著書・・・

う~ん・・・うらやましいなぁ~(笑)
私も本の1冊ぐらい出さねばなるまいな・・・と思ったりする・・・(大笑)

昼食

食事は、チキン・・・何とかっていうのを頼む。(意味がわからないのに頼んじゃった)
量が多い・・・さすがは米国人向けの量である。
米国人は体が大きいからなぁ~(大笑)

昼食の間、チャーターした車のドライバーさんには、お昼代を渡して適当な場所で食事をしてもらった。
食後、館長さんを博物館までお送りしてお別れ・・・・
「それじゃ!また!どうかお元気で!次回は4月に来ると思います!」

そのまま、博物館からバスターミナルに送ってもらい、ドライバーさんとは、ここでお別れ・・・
当初の予定より時間がオーバーしたので、追加料金を支払うことになったが、たいした金額ではなかった。
今回は、期せずして、いろんな人と出会い、いい経験が出来た。
なんとも嬉しい・・・・最高の一日だった。(大喜)
館長さんのおかげである。
感謝、感謝・・・・

午後2時頃のバスに乗ってマニラに戻ることにする。
こちらに来る時に乗ったのは「ビクトリー・ライナー」という会社のバス。
このバスは、バスも綺麗で、人気のあるバスである。
ということで、乗客も多い。
で・・・同じバスで帰るのも面白くない・・・(笑)
ステラさんも、試しに別の会社のバスに乗ってみて、一体、マニラのどこに止まるのかを確かめてみたいと言う。
今後ガイドとして、誰かを案内するときの参考にしたいと言う。
「いいですか?試しに乗ってみて?」
「もちろん!何事も経験ですから、勉強の為に乗ってみましょう!」(笑)
こういうところの価値観が合うから話は簡単にまとまる。(笑)
ということで・・・わざと、イマイチ、パッとしないバス会社のバスに乗ってみる。(大笑)

さすがに、イマイチのバスだからなのか、乗客が少ない・・・
マニラ行きのビクトリー・ライナーのバスには、乗客がかなりたくさん乗っているが・・・
私たちが乗るバスには、我々を入れても5人しか乗っていない!(大笑)
50人は乗れる大型観光バスなのに、5人ねぇ~・・・・
これで採算が合うのだろうか?

走り出したら・・・
ガタゴト、ガタゴト・・・そのうち、ギーギーと車体の下から異音を発する。(大笑)
お~お~!ショックアブソーバーが壊れているんじゃないか?(大汗)
道理で人気がないわけだ・・・
しかし、メリットもある!
乗客が少ないから、シートを倒して座ることができる!
なにせ、5人しか乗ってないもんね!
後ろの席には誰も座ってないもんね!
これが、ビクトリー・ライナーでは、そういうわけにはいかない。
これが、このバス会社の唯一のメリットである。(大笑)

バスの中

このバスには、ビクトリー・ライナー社のバスと同じように、運転席の上にテレビが備えられている。
が・・・ちょっとだけ小さい感じ・・・
というわけで、これを見たいなら、2列目までに座らないといけないような気がする。(笑)
このような長距離を走るバスには、どうやらこのような映画の放映サービスが付いているようである。
一応、洋画を流してくれる・・・
で・・・字幕は・・・英語・・・(大笑)
タガログ語でないことが救いだが、この英語の字幕も2列目より後ろに座ったのでは見えないかも・・・

私は前から2列目に座ってテレビを見ることにしたが・・・
耳からは英語、目はアルファベットを追い・・・と、とにかく忙しく・・・(大笑)
とてもじゃないが、楽しむなんていう感じではない・・・
疲れる・・・(涙)

バス会社によって、停車するターミナルが違うようなのだが、幸いにも、このバスは、マニラ市内のわかりやすいバスターミナルに到着してくれた。
次回も利用できそうだな・・・
ここからタクシーを拾い、今晩宿泊予定の「マニラ・パビリオン・ホテル」に向かう。
初日に泊まったのと同じホテル・・・ここは私の定宿だが・・・
芸がないといえば、芸がないか・・・
次回は「浮気」をして他のホテルに泊まってみようかな・・・(苦笑)

チェックイン後、コーヒーラウンジでステラさんとおしゃべり・・・
2~3時間は、あっという間に過ぎる。
我が父親の介護の話とか・・・
私が仲良かった、今は亡きステラさんのご主人の思い出話とか・・・

午後7時、ホテルの向かい側にある中華レストランで一緒に夕食をとる。

夕食

夕食代は、もちろん旅費に含まれている。
私がいつも利用する現地旅行社は、食事に関してはケチらない方針だそうで・・・(笑)
食事代は余裕を持った金額・・・
だからといって、旅費が高いというわけでもない。
が・・・ステラさんと、たった二人の食事だから、それほどたくさんは食べられない・・・
「頼まないと、差額は会社の儲けになるので、あなたが損をしますから予算内で色々頼みましょう」と彼女は言う。
う~ん・・・でもねぇ~・・・食べきれないんですけど・・・(苦笑)
私としては、焼きそば一つで十分なんですけど・・・(笑)
で・・・食べ切れなかった分は、「食べ残し」で申し訳ないが、テイクアウトして、ステラさんのご家族への「お土産」としてもらう。(大笑)

食後、またホテルのコーヒーラウンジで食後のコーヒーを飲みながら、「おしゃべり大会」(大笑)
どうして、こうも話が尽きないのかが不思議である。(汗)

ガイドのステラさんが帰宅後・・・・
さぁ!マニラ最後の夜である!(喜)
前回見つけた、ライブハウスに行って、生バンドの歌と演奏でも聴いてこようかと思ったら・・・
ドドッと疲れが出た!
どうして肝心な時に疲れが出ちゃうのか・・・
頭がクラクラしてきた・・・・
おしゃべりのし過ぎか?(苦笑)
歳のせいか?
歳は取りたくねぇもんである。(大涙)

このホテルからライブハウスまでは徒歩で15分ほどかかる。
しかも、明かりのない、薄暗いところも通る・・・
かといって、タクシーなんかに乗ったら、そのほうが危ない・・・(汗)
万全の体調で歩かねば、何かあった時の対処が出来ぬ。
ボケ~ッとしていては、まさしく「鴨がネギを背負っている」状態となる。
私は、前回、ライブハウスに行った時は酒は飲まずコーラを飲んで音楽を聴いていた・・・
酔っ払って、判断ミスを犯したくなかったからである。

結構、危ないことをするとステラさんに注意されるが、これでも細心の注意はしているつもりである。

どうしようかな・・・としばらく迷っていたが・・・
やっぱり行くのはやめることにする。
ここで無理して判断を誤ってはマズイ・・・

ということで・・・
またまたマッサージを呼んでマッサージをしてもらい・・・・寝る!(大笑)
マニラ最後の夜は・・・いつものようにマッサージだけで終わってしまった・・・(大笑)

平成25年(2013年)2月8日・4日目

午前5時半起床!
よく起きられたものだと我ながら感心する。(大笑)

今日は帰国する日・・・
午前9時45分発の便なので、8時頃までには空港には着かねばならない・・・
急いで朝食を食べ・・・・
迎えに来たステラさんと一緒に旅行社の車に乗り、空港へ・・・・
送迎係の“サンデイ君”は、すでに7時から空港で待っているという。

まもなく、空港に到着・・・
なにせ国際線は2社しか乗り入れていない第3ターミナルである。
空いている!(喜)

空港内で“サンデー君”に会うが「私はここまでで、中には入れません」と言う。
フィリピン航空の第2ターミナルなら、彼がチェックインの手続きをしてくれるのだが、ただ入り口で挨拶するだけの為にわざわざ朝7時に空港に来たのか?(汗)
「これだけのために来たの?」
「スズキさんは、初めてここを使うから、一応、案内のため来ました」
いつも彼にはチップを渡しているので、今回も渡したら「何もしていないのに・・・」と遠慮する。
いや、いや、わざわざ朝早くから空港で待っていてくれたんだから・・・チップを渡すのは当然でしょ?(笑)
わざわざ申し訳ない!ありがとう!

彼と別れて、チェックインカウンターへ・・・・
すると、空港職員が「こちらへどうぞ」と案内してくれた。
で・・・連れて行かれたのは・・・ビジネスクラスのカウンター!(驚)
ネクタイにジャケット姿だったせいだろうか?(大笑)
どこから見ても、ビジネスクラスに乗る「高貴なお客様」に見えたのだろう・・・(大笑)
「あれ?え・・・あのぉ~・・・いやぁ・・・俺はエコノミーでして・・・」(大汗)
いやぁ~恥かしい!
エコノミークラスのチェックインカウンターには乗客の長蛇の列・・・
みんなが見てる・・・いやぁ~格好悪い!(汗)

エコノミークラスの列の後ろに並ぼうと歩き出したら・・・再び、職員が声をかけてきた。
「その荷物、預けるんですか?」
「いや、機内に持ち込むよ!」(笑)
「それなら、こちらにどうそ・・・」
ビジネスクラスの隣りのカウンターでチェックイン!
あらら・・・長蛇の列に並ばなくて済んじゃった!(大喜)

で・・・これから、どこへ行けばいいんだ?
早くも迷子・・・(苦笑)
先ほどの職員が出国手続き場所を大声で教えてくれた。
が・・・私は筋金入りの方向音痴である!
数歩歩いたら・・・迷子になった・・・(大笑)
「あっちです!そこを左に曲がって!」
「サンキュー!サンキュー!」
他の長蛇の列に並ぶ日本人乗客の“冷たい視線”を浴びながら出国手続きへ・・・(大笑)
あ・・・彼にチップを渡してあげればよかったな・・・と思ったが、あとの祭・・・
今度会った時にはチップをあげよう・・・顔を忘れちゃったけど・・・(大笑)

列に並ばなくて済んでしまったので、怖ろしいほど早く搭乗口に到着してしまった・・・(大笑)
さて、どうやって時間を潰そうか・・・
空港内を探検することにする。(笑)
ブラブラ、キョロキョロとしていたら、空港職員に声をかけられた・・・
「どこへ行くんですか?」
「ん?成田!」(笑)
「搭乗口は、あっちですよ」
「はい知ってますが・・・空港内をね、見学してるんだけど・・・観光!」(笑)
「はぁ?」
「だから・・・グルグルと歩き回って・・・観光してるの」
「へぇ・・・」

あまりウロウロするのもマズイか・・・・
一応、搭乗口を確認しに行くか・・・
と・・・窓の外に飛行機が見える・・・あれれ?

パンダの絵?

なんだ?・・・あの模様は・・・
パンダ?
もしかして・・・パンダの絵が描いてある飛行機に乗るのか?(大汗)

以前・・・たしか九州へ行った時だったと思うが・・・
アンパンマンの絵が描いてある特急列車に乗ったことがある。(汗)
座席にもアンパンマンの絵・・・
スーツ姿で恥かしい思いをしながら乗ったが・・・
まさか・・・座席にもパンダの絵なんか描いてないよな?
頼むよ・・・恥かしいから・・・(苦笑)

搭乗口の女性職員に声をかけられる。
どうもジャケットにネクタイ姿だと、やたらと声をかけられるような気がするが、気のせいだろうか?(苦笑)
「どちらに行かれますか?」
「成田です。ここは成田行きの搭乗口ですね?」
「そうです」
「はい、ありがとう、じゃぁね!」
「どちらに行かれるのですか?ここが成田行きですよ!」
「いやぁ~・・・ちょっとブラブラしてから戻ってきますから!」(笑)
「・・・・」
ムッとされた・・・(苦笑)

空港内をウロウロしていると、ろくなことがない・・・(笑)
コーヒーショップで大人しく読書をしながら時間を潰すことにする。

搭乗時刻となり、飛行機に乗り込む・・・・
ビジネスクラスには、ズラリと白人ばかりが乗っている。(アメリカ人?)
で・・・エコノミークラスには黄色人種が・・・(大笑)
う~ん・・・異様な光景である!(大笑)

無事に成田空港に到着し、税関で荷物のチェックを受ける・・・
「お荷物はこれで全部ですか?」
「はい・・・」
私はショルダーバッグ一つだけである。
「出張ですか?」
「いやぁ・・出張ではないのですが・・・」
ジャケットとネクタイ姿だと、こういうことになるか・・・やっぱり・・・
「じゃぁ、観光ですか?」
「いやぁ・・・観光というわけでもないのですが・・・」
「はぁ?」
「なんと説明していいものやら・・・・・」(汗)
「申告するものは何もないんですか?」
「はい」
「本当にないんですか?」
「はい・・・」
参ったなぁ~・・・別に悪いことをしているわけではないのだが、シドロモドロになっちゃった。
だいたい、今回の旅行・・・
仕事じゃないし・・・
どこかを観光したわけでもないし・・・
こういう時はなんて答えればいいのかね?(大汗)
この中途半端さ・・・困ったなぁ~

時刻は午後3時を過ぎている・・・
スカイライナーに乗り上野駅へ向かい、午後5時の特急に間に合った!
親父に電話をしたら・・・
意外にも元気な声!
あれれ?
なんでそんなにテンションが上っちゃってるんだ?(大笑)

夕食用に駅弁を買って帰宅する。

留守中、毎日お昼に妹と姪っ子たちに電話をしてくれるように頼んでおいた。
「毎日、電話をくれてなぁ~」と親父は娘や孫たちからの電話にご満悦。
ヘルパーさんもよくやってくれたんだと喜んでいる。
よかった・・・問題を起こしてなくて・・・
口うるさい親父だから問題でも起こしていたらと少々不安だったが・・・よかった。
「昨晩は、風が強くて、ガタガタと音がして、恐くて眠れなかった」と言う。
「だから、今日は睡眠不足だ」と言っている割には、異様に元気である。(大笑)

すべて、上手くいったようである。
めでたし、めでたし・・・

~終わり~



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