旧岩崎邸庭園

(三菱創始者・岩崎家本邸)

東京都台東区池之端1−3−45


 平成15年5月25日

旧岩崎家住宅(重要文化財)
台東区池之端1丁目3番1号

明治から昭和にかけての実業家、岩崎久弥のかつての住宅。
明治29年竣工した。
設計者はイギリスのジョサイア・コンドル
上野の博物館(現在の東京国立博物館)や鹿鳴館など数多くの官庁の建造物の設計監督にあたり、19世紀後半のヨーロッパ建築を紹介して日本の近代建築の発展に指導的役割を果たした。
同一敷地内に洋館ー社交の場、和館ー生活の場を併立する大邸宅は明治20年頃から建てられたが、岩崎邸はその代表例であり、現存する明治建築として貴重である。
洋館(木造2階建地下室附)正面に向かって左半分が主屋でスレート葺の大屋根をかけ、その右にやや規模の小さい棟が続く。
両者のあいだの玄関部には塔屋がたち、角ドーム屋根となっている。
南側ベランダには装飾を施された列柱が並び、全体的にはイギリス・ルネッサンス風となっている。
洋館左側に建つ撞球室(ビリヤードルーム、木造1階建地下室附)とは地下道でつながれている。
洋館と撞球室は昭和36年に重要文化財の指定を受け、昭和44年には、和館内の大広間と洋館の袖塀1棟が追加指定を受けた。

平成10年3月
台東区教育委員会

(説明板より)


ジョサイア・コンドルの設計により、明治29(1896)年に完成した。
完成当時の岩崎邸は、15,000坪の敷地に20棟以上の建物があった。
現存する3棟のうちの1棟が、木造2階建・地下室付きの洋館で、本格的な洋風建築。
明治期の上層階級の邸宅を代表する西洋木造建築である。
17世紀の英国ジャコビアン様式を基調に、ルネッサンスやサラセン風のモティーフなどが取り入れられている。

併置された和館との巧みなバランスは、世界の住宅史においても稀有の建築とされている。

建物自体は、主に年1回の岩崎家の集まりや外国人や賓客を招いてのパーティーなどに使用された。
1階部分に玄関・食堂・厨房・書斎・客室、2階に客室・集会場・、地下には倉庫・機械室・通路が設けられていた。

昭和22(1947)年に国有財産。
戦後、GHQに接収され、返還後、最高裁判所司法研修所などとして使用(〜1970)された。

(パンフレットより)

岩崎邸の内部 岩崎邸の内部
岩崎邸の内部 岩崎邸の内部
岩崎邸南側 庭から見た岩崎邸の南側



洋館南側は列柱の並ぶベランダで、1階列柱はトスカナ式、2階列柱はイオニア式の装飾が特徴的である。
米国・ペンシルヴァニアのカントリーハウスのイメージも取り入れられた。
(パンフレットより)

ジョサイア・コンドル  Josiah Conder

1852年、英国ロンドンに生れる。
明治10(1877)年、日本政府の招聘により来日。
工部大学校造家学科(現・東京大学工学部建築学科)の初代教師に就任し、日本で初めて本格的な西欧式建築教育を行った。
門下には、東京駅の設計で知られる辰野金吾、赤坂離宮を設計した片山東熊など、近代日本を代表する建築家がいる。
鹿鳴館・ニコライ堂など多くの洋風建築も設計し、のちに日本最初の建築設計事務所を開設する。
東京帝国大学名誉教師、(日本)建築学会名誉会長・名誉会員でもあった。
大正9(1920)年、日本で永眠する。

(パンフレットより)

ビリヤード室 撞球室(ビリヤード場)
ビリヤード室内部 撞球室内部

コンドル設計の撞球室(ビリヤード場)は、洋館から少し離れた位置に別棟として建つ。
ジャコビアン様式の洋館とは異なり、当時の日本では非常に珍しいスイスの山小屋風の造りとなっている。
全体は木造建築で、校倉造り風の壁、刻みの入った柱、軒を深く差し出した大屋根など、木造ゴシックの流れをくむデザインである。
洋館から地下道でつながっている。

(パンフレットより)


和館

洋館と結合された和館は、書院造りを基調にしている。
完成当時は建坪550坪に及び、洋館を遥かにしのぐ規模を誇っていた。
施工は大工棟梁として、政財界の大立者たちの屋敷を数多く手がけた大河喜十郎と伝えられている。
玄関近くに構えた書院造りの広間には、明治を代表する日本画家・橋本雅邦の障壁画が残っている。
広間奥に設けられた岩崎家の居住空間は、南北に分けられ、南に主人と夫人部屋、子供部屋などが置かれた。
北には使用人部屋、台所、事務方詰所、倉庫などがあった。
現存する大広間を中心に、巧緻を極めた当時の純和風建築をかいま見ることができる。

庭園

江戸期に越後高田藩・榊原氏、及び明治初期は舞鶴藩・牧野氏などの屋敷であった岩崎邸の庭は、大名庭園の形式を一部踏襲していた。
本邸建築時に広大な庭に芝を張り、庭石・灯篭・築山が設けられた。
建築様式同様に和洋併置式とされ、「芝庭」をもつ近代庭園の初期の形を残している。
往時をしのぶ庭の様子は、江戸時代の石碑、広間前の手水鉢や庭石、モッコクの大木などに見ることができる。
この和洋併置式の邸宅形式は、その後の日本の邸宅建築に大きな影響を与えた。

(パンフレットより)


訪問記
日曜日の午前10時ごろに訪問しました。この時点でパラパラと見学者が集まっています。11時頃には続々と見学者がやってきました。館内は撮影可能ですが・・・この頃になると見学者が邪魔で写真を撮ったりじっくり見ることは難しい状態となります。写真を撮りたい人は開館の9時と同時に入館しないと難しいかもしれません。
和館では「お抹茶」が500円でいただけます。

(平成15年5月25日)



 (関連商品のご紹介)

ジョサイア・コンドル




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