(マバラカット)
平成16年5月7日(第2日目) |
マバラカット西飛行場を去り、クラーク特別経済区のゲートを出て、またもやマバラカットの町に入る。
まもなく路肩に車が止まった。
ドミンが「カミカゼ、バースプレイス」と言う。
バース・プレイス?ん?何だ?
それって誕生地ってことか?
でも、カミカゼの誕生地はマバラカットの飛行場でしょ?
東飛行場跡には慰霊碑もあったし、西飛行場には説明板もあったし・・・・
誕生地ってどういうこと?
「ここで降りて見てみますか?」とドライバー。
なんだか分からないけど、とにかく車を降りて見てみよう。
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The KAMIKAZE(DIVIE WIND)BIRTHPLACE HISTORICAL MARKER 民家の塀にある”神風の誕生地”の説明板です。 マバラカット観光局が作ったものらしいです。 ちなみに”DIVIE WIND”とは、直訳すると”神の風”ですから、つまり”神風”のことね。 この塀にベタベタと貼ってある写真入のポスターは選挙ポスターです。 |
はぁ〜なんだか分からないけど、確かに”神風の誕生地”と書いてある。
ここまでは読めるんだけど・・・・
その下が問題だ。
英語が大の苦手の私にとって、こんなに長い英文和訳は出来ればやりたくない。
英文を見ただけで頭がボーッとしてくる。加えて炎天下。益々ボーッとしてきます。
私の思考能力はほとんど停止状態。
しかし、文章の頭に”マルコス・サントス夫妻の家”という言葉が出てくる。
ん?どこかで聞いたような・・・・
あれっ!もしかして私が捜していた士官宿舎とはここではないか!
海軍がマルコス・サントス夫妻の家を接収して201航空隊の本部として使っていたのです。
本部兼士官宿舎として使っていた二階建ての家。
関行男大尉が体調不良で寝込んでいたのは、この家のニ階の部屋だったはず。
二階のベランダで大西中将や201空の飛行隊長などが話をして体当たりの”特攻”を決断した場所。
だから、”誕生地”なんだ。
やっと意味がわかりました。
201空本部跡
写真左端の道路側に面して”誕生地”の説明板が設置されています。
ここの前庭で、昭和19年10月20日の朝に大西中将が特攻隊員を前に訓辞をおこなったのです。
でも、家の雰囲気が違うぞ。
この写真を撮っている時にドミンが言いました。
「最近、昔の家を壊して新しい家を建てたんだ。だから、その家は昔の家じゃないからね。」
ええっ!遅かったかぁ!
ああぁ!なんとも残念。何とか保存できなかったのか・・・・と今更言っても遅いのだが・・・
当時の士官宿舎が民家としてそのまま使われているという情報は掴んでいたのだが・・・・
間に合わなかったか・・・
ドミンの言う「最近」というのがいつ頃のことなのか知らないけど、「去年まではあった」なんて言われたらショックだから確認するのはやめました。
さて、このことでショックに打ちひしがれていた私の前に一人の初老の男性が現れた。
(単なる通行人なのですが・・・)
いきなり・・・・「アーユージャパニーズ?」と言ってきた。
「イエス」と答えたら「ミスター大西を知っているか?」と言うので「もちろん知ってる」と答えたのだが・・・
この男性・・・・それから大西中将と特攻隊員のことについて機関銃のように話し始めたのである。
こちらは炎天下に立っていて頭はボーッ。更に家が解体されていたことのショックでボーッ。
そこに英語でまくしたてられるのだから何の話やらさっぱりわからない。
とにかくミスター大西は偉いとかカミカゼは偉いというようなお褒めの話のようである。
とにかく立派な人たちだと言ってるらしい。
そのくらいのことは日本人のお前は知っておくべきだと言わんばかりの、ほとんど説教に近い話でした。
「あ、こりゃ、どうも。どうも。」となぜかペコペコしてしまった。
マバラカットの住民は、みんなこんな風に詳しいのだろうか?
そうだとすると、日本人は彼等に感謝するとともに反省せねばならんかも。
それにしても、ここが私の捜していた士官宿舎なのだが、そうなると先に訪れたあの洋館は何だったのだろうか?
ついにあの洋館は謎になってしまった。
次はこれからバターン半島に向かいます。
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マバラカットからサンフェルナンドに向かい高速を走る。 途中のサービスエリアで昼食。 日本の高速道路のサービスエリアより洒落ている感じがします。 |
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私は『LAURIAT-CHICKEN』を頼みました。 フライドチキンとライス、シュウマイが2個、焼きソバみたいなのと甘い中華風団子が1個、それにスナック菓子のようなものが乗っています。 これがコーラ付きで99ペソ。私はコーラをラージサイズにしたので6ペソ追加。合計105ペソ(210円)なり。 安い昼食です。 ドライバーとドミンの分(彼等はラーメンみたいな物を頼みました)も出して3人で270ペソ(540円)しかかかりませんでした。 安い!いくらでもおごってあげる! |
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店内の様子です。 |