ささやかな友情に感謝


さて、昼食も済ませ島内観光再開です。
島内をグルグル・・・・
次は・・・・日本軍の慰霊碑のある場所。
パンフレットに載っている「日本平和庭園」という場所かな?

「ここで降りて見学する方はいらっしゃいますかぁ〜?」とガイドさん。
ところが、乗客は「NO〜!!」
一斉に「暑いから降りるのはいやだ!」と言い出した。

ウウッ!どうしよう・・・・
俺は日本人。日本軍の慰霊碑のところで降りずにこのまま通り過ぎていいのか?
このままではバスは通り過ぎてしまう。
イカン、これはイカン。
みんなを”敵”に回しても私だけでも降りなければ!

再度ガイドさんが聞いてきた。「誰か降りますかぁ〜?」
「NO!」と言う声に負けまいと大声で「YES!」
もう心臓は張り裂けんばかりです。

すると・・・
バスのあちらこちらから何人かの乗客が「YES!」の声をあげてくれました。
「オフコース、イエス!」の声も・・・・・
見ると、あちこちで下車して見学中に私に声をかけてきた人たちです。
「どこからきたのですか?」と声をかけてきた中年のフィリピン男性。
「このツアーをどう思いますか?」と聞いてきた中年のフィリピン人のご夫婦。
この時はストレートに言えなくて「ちょっと・・・・ねぇ」と答えたら、「そうですよねぇ〜」と同情(?)してくれた人です。
何人かのこのような乗客のみなさんの”援護射撃”のおかげでバスを降りることが出来ました。
ありがたい!

ところが、バスを降りた我々に対し”反対派”の乗客がこう言ったのです。
「ファイブミニッツ!ファイブミニッツ!」
なにぃ〜5分間だって?何でてめえらに言われなきゃならねぇんだ!
ガイドを見たら・・・ニヤニヤしてるだけ。
そうかい!5分間しか時間をくれねぇのかい!

外は炎天・・・・本当に”クソ”暑かったんですよ。
私と一緒に降りた”賛成派”には申し訳なかったなぁ。
私は必死で写真を撮ったりと走り回りました。
なにせ5分間しかくれないんだから。

彼ら”賛成派”と目が合った。
親指を立てて”ガッツポーズ”
「やったね!」の意思表示か?
私もお辞儀をして”サンキュー”の意思表示。
少し遠いところにある慰霊碑を指さして顎で合図が・・・”行ってこい!”という意味か?
ありがたい!
もう涙が出るほど嬉しい!

”賛成派”は炎天下の中、ブラブラ歩きながら私の動きを見ています。
ん?時間稼ぎをしてくれてるのかぁ?

まだ半分ぐらいしか見ていなかったのですが・・・・
無情にもカラン、カランと出発の鐘の音が・・・・

それでも5分以上は経っていたでしょう。
一緒にバスを降りてくれた人たちのおかげです。
”ささやかな友情”に感謝!

歩兵第61連隊の慰霊碑 1942年5月5日にコレヒドール島攻略戦を戦った第4師団歩兵第61連隊と配属部隊の慰霊碑です。

1991年5月5日に和歌山歩兵第61連隊の戦友会によって建立されたものです。
日本軍の速射砲 日本軍の速射砲(対戦車砲)?
日本軍の大砲 日本軍の大砲

この大砲は島のあちこちから集めてここに並べたものではないかと思われます。
こんな見晴らしの良いところに並べて戦うほど日本軍は間抜けではないはず・・・・

しかし近づいて見る暇もなく無情にも鐘の音が・・・・

コレヒドール島戦没者慰霊碑

マリンタ・トンネルマリンタ・トンネル

ここは1922年に米軍が兵器貯蔵所として完成したトンネル要塞です。
日本軍が攻略した時には米軍司令部として使われ、病院(ベッド数1,000床)としても使われました。
1945年2月、追い詰められた日本軍はこのトンネルを爆破し、多数の日本兵が死亡しました。

   


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