(包頭~伊金霍洛旗)
平成18年6月18日(第3日目) |
ウトウトとしながら結局午前5時半に起床してしまった。
外の景色は上のベッドからは見ることが出来ない。
部屋を出て通路から外の景色を眺める。
一面の荒野。木も草も見えない。地平線の向こうまで茶色の地肌しか見えない。
民家も見当たらず、やっとそれらしきものが見えたかと思ったら、それは廃墟と化した小集落だった。
車内では移動販売員も乗車していました。
出発してしばらくたってから車内を何か声をかけながら売り歩いてましたが・・・
言葉が通じないから何も買えない。
朝も売りに来ていました。
チラリと覗いたら、どうやら朝食のようです。
う~ん、食べてみたいなぁ~と思いましたが、言葉が通じないからやめました。
言葉が少しでも通じたらねぇ~買って食べてみたかったなぁ~
ちなみに食堂車は付いていなかったようです。(全車両を確認したわけじゃないですけど・・・)
夜8時に出発して終点の『包頭』に午前8時に到着するのですから必要ないかも。
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寝台車の共同洗面所 結構綺麗でした。 |
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荒野を過ぎると『南店』という町を通過。 この町にはビルも建っていてかなり開けていました。 更に進むと、やっと緑が見えてきましたが・・・・ 向こうに見える山は茶色。 木が生えていないのか? |
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遠くに発電所が見えました。 特異な形の塔が2つ。 ん?原子力発電所か? あとでわかったのですが、火力発電所なんだそうです。 |
午前7時前ぐらいでしょうか・・・・女性車掌が車内を掃除し始めました。
通路からトイレの中まで・・・・
テキパキと一人でお掃除。
朝の一服をしている私を横目に灰皿も綺麗にお掃除。
朝の挨拶をしてもニコリともしない態度には不満ですが、それにしてもよく働きます。
大したもんだなぁ~
これには中国嫌いの私もさすがに感心しました。
昨晩、従兄弟に買ってもらったバナナを食べて朝食前の腹ごなし。
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包頭東駅に到着 午前8時18分到着。 12時間の寝台車の旅が終わりました。 隣のホームには誰もいません。 通勤客というのはいないのか? |
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荷物を引っ張って改札へ 我がツアーの参加者の皆様です。 なにせ、この町に外国人が来るということは滅多にないそうで・・・ 目立つ、目立つ。 |
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車輌に付いてる標識 『包頭』というのは、中国の字では、こう書くんですねぇ~ 『BAOTOU』とローマ字で表記していますが、私は「パオトウ」と発音しています。 本当の正しい発音はどうなんだろうか? 「BA]なのか「PA」なのか・・・ |
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包頭東站 (包頭東駅) |
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包頭東駅前 「5年前に来た時は、こんなに建物は建っていなかった」と参加者から教えていただきました。 ということは・・・かなりのスピードで発展しているってことかな? |
包頭の町の中で朝食を取り、9時半頃、レストランを出発。
『包頭』とはモンゴル語で「鹿のいる場所」ということらしいのだが・・・・鹿は一匹も見当たらない。
まぁ~町の中を鹿が闊歩しているわけはないから、どこか遠くにでもいるのか?
それとも今では絶滅してしまっているのか?
気温はかなり高い。最高気温は33度とか。
乾燥しているから日本よりは過ごし良さそうですが・・・・
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黄河を渡り高速道を南へ向かう。 これが黄河か? 随分狭い気がするんだけど・・・・ 黄河なんだろうねぇ。 |
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高速道のPAの看板 ギザギザの縦長の文字がモンゴル文字です。 読むのも大変でしょうが・・・書くのも大変なのでは? |
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ここが高速道路のPAです。 砂漠のような状態です。 ガソリンスタンドと売店とトイレがありますが・・・・ 全然活気はありません。 写真のバスが我々のバスです。 |
『包頭』を出発して高速道路を約3時間ほど走り『伊金霍洛旗(エジンホロキ)』に到着。
早速ホテルにチェックイン。その後近くのレストランで昼食。
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伊旗賓館というホテルの別館 このホテルは伯父ちゃんが常宿にしていたホテルとのこと。 ツアー参加者の殆どが本館に泊まったが、私と従兄弟、もう一組の4人だけが何故かこの別館に泊まることになりました。 |
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部屋の内部 エアコンも付いているので思ったよりまともな部屋だと思ったら・・・ バスルームの電気がつかない。 シーツに穴が開いている。 でも、現地のホテルにはタオルも石鹸もスリッパもないような話でしたが、質は悪いが一応そろっていました。 問題はトイレットペーパー。 ゴワゴワの紙がわずかにあるだけ。ティッシュは必需品です。 持って来てよかった! |
昼食後バスに乗って1時間ほど走ったところにある植林地の見学に行く。
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移動途中の景色(車窓から) 道路わきにちょっとだけ木があるだけ。 あとは・・・チョボチョボと草がある砂漠! |
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植林地 ここは空中から種を散布して”植林”したという。 散布した種のうち40%が定着したと思われるという。 |
ここには3種類の植物の種が蒔かれたという。
『サダワン』は育つのは早いが6年ぐらいで消えてなくなってしまう植物だという。
『ヨウサイ』は木になって種を落とし、またその種が育つので最後まで残る植物だそうだ。
『サコウ』は家畜が食べるという植物。
これらの緑が砂の移動を防止する役割を果たしている。
現在、約2万ヘクタールの牧草地となっており、緑化モデル拠点である。
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次の植林地に移動する途中で、ジンギスカン廟の側を通った。 ジンギスカン廟はジンギスカンのお墓ということだろうが、ジンギスカンの骨が収められているわけではないという。 では、何故ここに廟が作られているのか? ここがジンギスカン最期の地というわけでもないそうだ。 う~ん、わからない。 |
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建設中のジンギスカン廟の入口(車窓より見る) 以前は、廟の直ぐそばまで車が入れたそうだが、今は別の場所に入口を作っている。 真ん中のモニュメントはジンギスカンの騎馬像か? この入口から廟まで2kmくらいあるという。 へぇ~ここから2kmも歩くのか? この暑い砂漠の中を?信じられない! まだ、建設中らしいのだが・・・ 2kmも歩くと聞かされたら観光客は誰もバスから降りないんじゃないか? |
種を空中散布した植林地からバスで約1時間、『小霍洛(ショウホロ)植林地』に到着する。
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小霍洛植林地 ここは1993年からエジンホロ人民政府と日本のNPOが共同で緑化事業をした場所。 ポプラ・樟子松(ショウジマツ)・沙柳(サリュウ)を中心として植林されているという。 |
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小霍洛植林地 植えられているのは樟子松(ショウジマツ)です。 |
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ここに我々も記念植樹をすることとなったが・・・・ 既に地元の人が穴を掘ってくれていたので、そこに苗を入れて土をかけるだけ。 あとは、給水車からバケツに水を入れてかけるだけ。 非常に簡単な作業なので、拍子抜けしてしまった。 特別看板も立てなかったようなので何年後かに来たら自分が植えた木は見つけられないだろうなぁ~ ちなみに22人で9本ぐらいの植樹だったので・・・ 私は植えた木にちょっと土をかけて2回ぐらいバケツで水を運んだくらいのことしかしていない。 「俺は植樹をしたぞ!」などと偉そうなことは間違っても言えない。 |
記念植樹を終えた後に管理事務所らしき建物の中でスイカをご馳走になりホテルに戻る。
今晩は地元の人民政府の方々との晩餐会。
”歓迎夕食会”とのこと。
この町に最近出来た新しいホテルに移動して、ここで”夕食会”
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歓迎夕食会 立って挨拶している人が、エジンホロキ人民政府の偉い人。 役職名等は失念。 このあと、私が最も恐れていた”乾杯”の一気飲みが始まった。 |
モンゴル式の”乾杯”なのだろうか?
民族衣装を着た女性がお盆に日本の杯の2倍くらいの大きさの杯にお酒を入れて持ってくる。
聞くところに寄れば40度もあるかなり強いお酒らしい。(確かに強かった・・・・)
この酒を飲む人は、この杯にちょっと指を浸して空に向けて指をはじく。
これは”天の神様”への敬意を表す。
次に同じようにして地面に対して指をはじく。
これは”地の神様”への敬意。
最後は指で自分の額に横一文字を書く。
これは”ご先祖様”への敬意。
この儀式をやってからグイッと一気に飲み干すのである。
お酒が苦手な私も、この”乾杯”をやらされたが、さすがにキツかったぁ~
このほかに普通の”乾杯”(一気飲み)があるんだから大変だ。
断るとシラケた顔をされちゃうんだからたまらない。
さすがに緊張していたせいか酔っ払ってぶっ倒れるようなことはなかったが・・・・
さて、先方はというと、何だかんだ言って飲まない。
普段から飲んでいるので体を壊してしまうと言う。
おい、おい、俺たちに無茶な飲み方をさせておいてそれはないだろぉ~
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生演奏で、民族衣装を着た女性による歌の披露。 素朴って言えば素朴な”歓迎夕食会”でした。 |
夜は寒暖の差が激しくかなり冷え込むと思っていたら・・・・
半袖シャツで少し肌寒いかなという程度。
体感で20度ぐらいじゃないかな?
厚手の冬服なんか持ってこなけりゃよかった。この服のおかげでリュックが一杯になってしまったのだから。
かといって・・・・ここに棄てるわけにもいかないし。
天気は運みたいなもの。偶然にも例年より暑いのかも。
夏服だけでは寒くてガタガタ震えるようなことになったかもしれないのだから・・・と慰めるしかない。
でも、この服が邪魔で恨めしい。本当の”お荷物”だ。