エルニーの御霊にご挨拶


平成18年(2006年)11月1日

今回の旅の最重要な目的はエルニーのお墓参り。
しかし、ステラさんの話ではお孫さんが寂しがってお墓に入れるのを承知しないので、自宅に御骨を安置しているという。
本来はカソリックは火葬は出来ないそうなのだが、フィリピンのカソリックだけは何故かわからないが火葬を認められているという。
それで火葬にして御骨を自宅に安置しているのだそうだ。

そこで『お墓参り』はご自宅訪問ということになった。
昼食もご自宅で用意してくれているとのこと。
何かとんでもなくご迷惑をかけてしまっているような・・・・申し訳なし。

ご自宅にお邪魔してエルニーの御骨にご挨拶。
当然エルニーの生前の写真も置いてあるのだが・・・・
ダメダァ〜まともに写真を見ることが出来ない!
見たら泣き出しそうになるので写真を見ることが出来ない。

ここで迂闊にも何も持参せずに来てしまったことに気が付いた!
お線香というわけにはいくまい?
来る途中でお花を買うべきだった!失敗したぁ!
またもやドジを踏んでしまったぁ〜
エルニー!申し訳ない!

お孫さんは7歳の男の子。
私のそばに座って突然声を出して本を読み始めた。
ん?気を引こうとしているのかな?
そのうち食事の準備も出来たというので食卓に座る。
勧められたのは「上座」
いや、いや、これはマズイでしょ。
なんだか偉そうになっちゃって・・・・
しかし・・・・もしかしてこの席がエルニーの席だったのかな?

今度は突然お孫さんがロボットの模型などを持ってきて私の脇に置き出した。
どうやら見てもらいたいようだ。
続いて無言で私の脇に立ち、自分の描いた絵を見せてくれる。
「なかなか上手だねぇ〜」
更に続いて恐竜図鑑を持ってきて、今度は恐竜の説明が始まった。
恐竜が大好きなんだそうだ。
ステラさんに私へ通訳してくれとせがむ。
もう一生懸命の彼なりの「おもてなし」
それに対して、この私ときたら・・・・気の利いた言葉の一つも出ないのだから情けない。

ふと、後に視線を感じた。
エルニーのお母さんがそこに立っていた。
89歳とは思えぬほどシャンとしたおばあさん。
身振り手振りで何か言い始めた。
「後から見ていると横幅といい、背丈といい、死んだうちの息子にそっくりだ」と言っているとステラさんが通訳してくれた。
うわぁ〜マイッタァ〜
ググッと来てしまうではないか!
ダメダァ〜ここで泣くわけにはいかぬ。
息子さんのことを思い出させてしまって申し訳なし。

昼食の料理はステラさんの娘さんが作ったという。
更に食後のデザートのプディングも。
美味しいのでおかわりをしてしまった!
やっちゃった!なんとも図々しいことをしてしまった。

そろそろホテルに戻りましょうとステラさんに促されて皆さんにお別れ。
エルニーにも改めて「さよなら」を言う。
「おかあさん」はニコニコして立っていた。
何て言ってよいやら・・・・言葉がない。
とにかく「おかあさん」の手を握ってお別れの挨拶。
通じただろうか・・・・私の気持ち。

車に乗って・・・・ふと後を振り返ったら・・・
玄関のところに「おかあさん」が立ってずっと手を振り続けていた!
しまった!うっかりしてた!
慌てて手を振り返す。
ダメダァ〜涙がこみ上げてくる。
「おかあさん」どうかエルニーの分まで長生きしてください!

ステラさんの携帯電話に北部山岳地帯に単独で入っていた亀井さんが予定を切上げてマニラに戻ってくるとの連絡が入った。
亀井さんとは比島観音でも曙光会でもお会いしている仲。
そういえば・・・・昨年の5月にもマニラで偶然にもお会いしたなぁ〜
2年連続?
何という偶然。
それじゃ、一緒に夕食を食べようということでステラさんとコーヒーを飲んでおしゃべりしながら待つこと約3時間。
北部ルソンからのバスで到着した亀井さんと合流して、昨年一緒に食事をした中華レストランへ・・・。
ん?もしかして・・・
昨年はこの3人にエルニーが加わっていて4人で食事したんじゃなかったっけ?
これまたなんという偶然か。
ステラさんも「去年は4人でここで食事したんですよね〜」と気が付いていた。
しまったぁ!中華料理を・・・と誘ったのは私。
ステラさんにつらい思いをさせてしまったか。
またもやドジを踏んでしまったぁ〜
それにしても・・・・なんとも寂しいなぁ〜
まさか1年後にこんなことになろうとは・・・・去年は夢にも思っていなかった。

亀井さんは明日は何も予定がなく暇だというので一緒に私の旅に同行することとなった。
共通の話題もあるので楽しいドライブになるだろう。


 


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