静岡県沼津市下香貫島郷2802−1(沼津御用邸記念公園)
平成18年4月15日
沼津御用邸記念公園の沿革
沼津御用邸は島郷の御料林中に約15萬3千平方メートルの地を定め、大正天皇が皇太子の当時、御静養の別殿として明治26年以降に造営され、36年に東附属邸、38年に西附属邸が建立された。
これは沼津の自然環境が最も勝れていたためである。
以来、明治、大正、昭和の三代にわたり皇室に親しまれてきたが、惜しむらくは昭和20年7月17日の空襲によって本邸が焼失し、東西両附属邸を残すのみとなった。
しかし邸内には、老松その他の樹木が5千余株も生い茂り、静寂の気みなぎり森厳の感、身に迫るものがある。
昭和44年12月に至り、大蔵省から沼津市に無償貸与され、ここに77年の御用邸として、光輝ある歴史を閉じたが当市としては、この記念すべき御跡地を末永く愛護しなければならない。
昭和45年7月1日
沼津市
(説明板より)
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本邸正門 (平成18年4月15日) |
旧沼津御用邸本邸正門
この正門は明治時代、大正天皇の皇太子時代に御用勤務の医師を務めたエルヴィン・ベルツ博士の縁により、ドイツのゾーリンゲンで特別に造らせた鋳鉄製の門で、長い歳月を経て、当時の姿を今日に伝えています。
(説明板より)
西附属邸 |
旧沼津御用邸の西附属邸は、本邸造営から12年後の明治38年(1905)7月、大正天皇(当時皇太子)の皇子、昭和天皇や秩父宮様、高松宮様などの御用邸として設置されました。
この方々は、明治天皇のお孫さんに当たることから、当時は「皇孫殿下」(こうそんでんか)と呼ばれていたため、西附属邸も「皇孫殿下御用邸」と称されていました。
この建物は、もともとは昭和天皇と秩父宮様のご養育に当たった川村純義伯爵の別荘として明治20年ごろ建てられたものを、伯爵が亡くなった翌年の明治38年に宮内省が買い上げ、御用邸としたもので、その後数回にわたる増築が行われ、全体面積1270平方メートルの附属邸が完成しました。
(リーフレットより)
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御車寄みくるまよせ 皇族が御車から降りて玄関にお入りになる場所。 御紋章入りの鬼瓦が復元されている。 (平成18年4月15日) |
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御殿 (平成18年4月15日) |
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御殿 (平成18年4月15日) |
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御殿 (平成18年4月15日) |
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調理室 皇族の食事を作っていた部屋で、今でも当時のままの流し台やかまど、換気と採光のための天窓など、珍しい設備が残っている。 (平成18年4月15日) |
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供進所くしんじょ 調理室から料理を運び、皇族の食事の盛り付けや配膳をした部屋。 (平成18年4月15日) |
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御食堂おしょくどう 皇族が食事を召し上がった部屋。 椅子は食堂用の皮張り、紋章入りで、前脚だけに陶製のキャスターが付いている。 (平成18年4月15日) |
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謁見所えっけんじょ 天皇陛下がご滞在中、来客に面会するときに用いた部屋。 床の間側に置かれた玉座用の肘掛け椅子には、梨地漆に御紋章の蒔絵が描かれ、来客用の小椅子には、黒漆に金の高蒔絵がある。 (平成18年4月15日) |
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御座所ござしょ 御座所(居間)、御寝室、御着換所の3つの部屋を総称して御座所と呼んでいた。 皇族の方々の居住部分として用いられていた建物で、畳の敷き方や寝室の蚊帳吊り金具、電灯の傘などにも当時の生活様式がしのばれる。 (平成18年4月15日) |
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御着換所(手前の部屋) 御寝室(奥の部屋) (平成18年4月15日) |
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御玉突所おたまつきじょ 西附属邸では最も新しく増築されたビリヤード室で、ここでは唯一の洋館である。 玉突台や附属品は当時のまま復元されている。 (平成18年4月15日) |
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大正3年、昭和天皇が学習院初等科時代にお乗りになった自転車の複製です。 (平成18年4月15日) |
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厩舎 陛下の御召馬車及び乗馬用のつなぎ場で、25頭繋留することができました。 (平成18年4月15日) |
旧沼津御用邸 厩舎について
この厩舎は、明治29年(1896)御馬車舎と共に七頭建厩舎(22.5坪)として本邸の通用門脇に建てられた。
同31年(1898)には、七頭建厩舎につながる八頭建厩舎(29坪)が別棟として新築された。
現在のお休み所・主馬の建物である。
大正天皇(当時皇太子殿下)が御成婚になった同33年(1900)の秋には、七頭建厩舎に五頭建(16.5坪)を増築し十二頭建厩舎(39坪、約130u)となり、御用邸全体として二十頭分の厩舎施設となった。
同33年時に屋根をそれまでの杉板張から日本瓦に葺替え、今日見られる外観となっている。
この2棟の厩舎は、宮内省内匠寮(たくみりょう)の設計・監理で建てられた建物で、同33年の五頭建増築担当の技手(ぎて)は安藤永次郎。
安藤は、明治期の内匠寮技手として最も活躍した一人で、同39年(1906)、西附属邸増築建物(皇居より移築され現在、御座所及び女官等の諸室となっている建物)及び正門取付けも担当した。
一方、同33年の五頭建増築厩舎の大工工事は、当時沼津町本町在住の内田定七が請負っている。
内田定七は、西附属邸増築建物及び東附属邸(赤坂離宮地から移築された建物)のほか、現存しない明治26年(1893)本邸の附属建物も請負っている。
沼津御用邸記念公園に存する木造厩舎は、皇居をはじめ各地の皇室施設にあった厩舎の中で唯一現存する明治期の貴重な歴史的建造物といえる。
平成15年11月3日
(説明板より)
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厩舎内部 (平成18年4月15日) |
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沼津市歴史民俗資料館 (沼津御用邸記念公園内) 入館料:無料 開館時間:9時〜16時 休館日:月曜日、祝日の翌日、年末年始 (平成18年4月15日) |
沼津市歴史民俗資料館は、沼津市の西南、沼津御用邸記念公園内にあり、沼津市周辺の民俗、歴史資料を広く収集し、展示公開している。
1階は特別展や企画展の展示室となっており、そこには児童向けの図書とパソコンのコーナーも設置している。
2階には常設展示室があり、駿河湾を中心とした漁具類や沼津の地場産業となった干物作りの道具、江戸時代に沼津の名物だったかつお節作りの道具、原・浮島地区における湿田農耕関係の資料を展示している。
(説明チラシより)
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資料館内部 (平成18年4月15日) |
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防空壕 (御用邸敷地内) (平成18年4月15日) |
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御用邸敷地裏の景色 (平成18年4月15日) |
東附属邸 |
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東附属邸入り口 (平成18年4月15日) |
東附属邸の沿革
東附属邸は明治36年(1903)に皇孫殿下(昭和天皇)の御学問所として、赤坂離宮の東宮大夫官舎を移築して造られました。
夏期には隣地の学習院遊泳場とともに、ご利用の機会も多かったようです。
東附属邸は面積も約550uと広くありませんが、当時の御殿建築の姿をよくとどめています。
昭和44年(1969)に沼津御用邸が廃止されるまで、長期間にわたり継続して利用されました。
現在は新たに茶室を設け、日本文化を学ぶ研修所として、一般に公開しております。
(説明板より)
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御殿 (平成18年4月15日) |
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御殿 見学は外観だけしかできません。 (平成18年4月15日) |
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駿河待庵(写し) 千利休作と伝承される国宝「待庵」(京都大山崎の禅刹「妙喜庵」に現存)を模したもので、柿葺切妻造りの二畳敷と次の間、勝手一畳からなる茶室です。 (平成18年4月15日) |
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沼津垣 (平成18年4月15日) |
沼津垣
沼津垣(ぬまづがき)は、昔から沼津周辺で浜の潮風を防ぐために用いられてきた垣根で、景観的にも、実用的にも優れています。
旧沼津御用邸でも多く用いられていたことから、一般に知られるようになりました。
材料は、箱根竹と呼ばれる細い篠竹を十数本ずつ束ねて、網代(あじろ)編みにしています。
この束を「手」といい、どの束も別の二つの束を越えて編んでいるため、この編み方は「二手(ふたて)越し」と呼ばれています。
(リーフレットより)
沼津御用邸年表
明治25年 | 1892 | 島郷御料林に御用邸新築工事始まる |
明治26年 | 1893 | 沼津御用邸本邸完成 皇太子殿下(大正天皇)初めての行啓 |
明治29年 | 1896 | 本邸新御座所ほか増築 |
明治36年 | 1903 | 赤坂離宮東宮大夫官舎を移築し、東附属邸を設置 |
明治38年 | 1905 | 川村伯爵別邸を買い上げ、皇孫殿下(昭和天皇)御用邸として西附属邸を設置 |
明治41年 | 1908 | 西附属邸御車寄ほかを増築 |
大正11年 | 1922 | 西附属邸御玉突所を増築 |
昭和19年 | 1944 | 皇太子殿下(今上天皇)疎開 |
昭和20年 | 1945 | 沼津大空襲で本邸の大部分焼失 |
昭和44年 | 1969 | 沼津御用邸廃止となる |
昭和45年 | 1970 | 沼津御用邸記念公園開設 |
平成 5年 | 1993 | 西附属邸整備工事に着手 |
平成 8年 | 1996 | 西附属邸改修工事終了 |
平成11年 | 1999 | 東附属邸改修工事終了 |
ご案内
交通:沼津駅からバスで約15分『御用邸前』下車
開園日:年中無休(年末年始を除く)
開園時間:午前9時〜午後4時30分
入園・観覧料:大人 400円
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