(マルマルアン)
平成21年(2009年)3月5日・第6日目 |
次に向かったのが・・・・どこなのかよくわからない丘の上・・・・(笑)
「サミエ〜ル!どこだ?ここ!」
「景色が綺麗な場所です!」
「なぬ?景色?景色を見に来たのか?」
「そうです!」
「あのなぁ・・・・ん?もしかして・・・ここは・・・コーストウォッチャールックアウトという場所か?」
「あ!そうです!コーストウォッチャー!」
「ん?・・・ということは・・・日本軍の防空指揮所があった場所じゃないか?」
「さぁ〜知りません」
「何か残っているだろ?指揮所跡とか・・・確かこの丘の斜面に横穴もあるはずだけど・・・」
「いえ、何にもありません!」
丘から見た景色
どうも信用できねぇなぁ〜絶対このあたりに何かが残っていていいはず・・・・
私の勘がそう言うのである。(笑)
近くの民家の敷地を覗いてみたら・・・・あった!
謎のコンクリートの建物!
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謎のコンクリート施設 日本軍の防空指揮所の跡か? |
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鉄製円形の何かの台座も残っている。
機銃台座ではなさそうである。
探照灯かレーダーか・・・・何か回転するものを乗せていた台座のようだ・・・
ということは・・・やっぱり防空指揮所だろ!
みっけ!みっけ〜!勘が当たった!(笑)
ちょうど、ここの住民の“おじさん”が出てきたので尋ねてみたら、日本軍の施設だとの事。
「その昔、この上空を米軍機が2機飛んで・・・それを日本軍の大きな大砲が、ドカン!ドカン!と撃ったんだ」と話してくれた。
「その大砲はどこにあるのか?」と尋ねたら・・・・
「戦後、日本人が来て日本に持って帰った」という。
大きな大砲って・・・野戦高射砲のことだろうか?
この“おじさん”・・・・他にもいろいろあるので案内してくれるという。
いやぁ〜ありがたい!
「サミエ〜ル!この野郎!いろいろあるじゃねぇかぁ!」
「あ・・・本当ですね・・・ありました〜」
「お前・・・何もないって言ったんだよな?」
「いやぁ〜ここには初めて来ました・・・だから・・・初めて見ました」
「なぬ?・・・初めて来た?」・・・・ガイドなのに、わからんことをいう奴だ・・・(笑)
この“おじさん”の家のすぐ近くの民家の脇に、何かの機械の残骸が物干し竿代わりに使われていた。
おお〜これはもしかしたら測距儀の一部ではないか?
いや、レーダーか?
とにかく、回転して使うものだよな?
残念ながら、これが何なのかはわからないが・・・とにかく日本軍のものだろう。
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道路を挟んだ隣の敷地には九六式25ミリ連装機関砲が・・・・
あらら・・・あるじゃないか!いろいろ・・・・
更に・・・近くの小学校の下の斜面にトンネルがあるので案内するという。
おお!そりゃすごい!
やっぱりありましたか、地下壕が!
もう、ワクワク気分で坂を下りる!(笑)
そこにはいくつかの横穴の入り口が・・・
一つはコンクリートでしっかりと造られているものだった。
“司令部壕”という雰囲気のある地下施設であった。
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地下施設の入り口 |
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もう一つは素掘りの狭い坑道・・・・かなり奥まで縦横に坑道が走っている。
地元の子供が内部を案内してくれた。
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地下壕の入り口 |
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壕の入り口は狭かったが、中に入ってみたら結構広いトンネルである。
どんどん先に進んでいくに従って・・・・段々と狭くなっていく。
子供たちは背が低いからいいけど・・・私には狭くて・・・こりゃキツイ・・・(笑)
内部は真っ暗・・・
頼りとするのは私が持参しているペンライト1本のみである。
さすがにペンライト1本の光では、ほとんど薄暗くて何も見えない。
これは大失敗である。
もう少し大型の懐中電灯か照明器具を持って来ないと、内部がどうなっているのか見えない。
適当にマニュアルで距離をあわせカメラのストロボを発光させ、その瞬間見えた範囲で縦横に走る坑道を右へ左へと曲り・・・・突き当たる。
この坑道には結構コウモリが生息していた。
私を案内をして一緒に坑道に入った小学1年生ぐらいの子供が「死ね!コウモリ!」と言ったかと思ったら床に落ちていた石を天井のコウモリめがけて投げつけた!
ズシン!
ギョェ〜!!!!
「あぶねぇ!馬鹿野郎〜!天井が崩れるじゃねぇか!」と、思わず日本語で叫んでしまった!
するとその少年が・・・・あ・・・こんな風に崩れちゃうんだよね?ゴメン、ゴメンと身振り手振りで謝った。
あれ?
日本語が通じちゃったの?(笑)
さて・・・そろそろ戻るぞ!
が・・・しかし・・・
どうやって戻るんだ?どうやってここまで来たんだっけ?
坑道を右へ左へと適当に曲がっちまったので・・・・帰り道が分からない!
やっちまったぁ〜得意の方向音痴!
案内の子供たちに、どの坑道を進めばいいのか尋ねたのだが・・・
「右か?」と尋ねると、ウン、ウンと頷く。
「もしかして左か?」と尋ねると、これまたウン、ウンと頷く。
「おい、おい、どっちの道なんだよ?」と尋ねると、これまたウン、ウンと頷く。
あれれ・・・君たちが頼りだというのに・・・・話が通じない!(汗)
頼りのペンライトは単3電池2本使用の小さなもの。
このまま電気をつけたままでいては、いつ電池が切れるかわからない。
うっ・・・マズイ・・・
電池が切れたら闇の中に取り残される!
ヤバイ!
ペンライト1本の薄暗く狭い坑道の中・・・・パニックに陥りそうである。(汗)
落ち着け・・・・落ち着け・・・・
子供たちを道連れに「遭難」したのではマズイぞ・・・・
顔面蒼白である。
私が先頭に立ち、来た道を思い出しながら・・・右へ左へと適当に曲っているうち・・・・明かりが見えた!
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向こうにかすかに光が・・・! |
出口が見つかったぞ!助かった!
で・・・外に出てみたら・・・・そこはジャングル・・・・
あれ?・・・・見たことがない景色・・・・入った時とは違う出口だ〜
やっぱり拙者は筋金入りの方向音痴である!(笑)
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我々が出てきた壕の出口(入口?) |
ここはどこだぁ?
キョロキョロしていたら、草をかき分けて、ここを案内してくれた“おじさん”が現れた。
いつまで待っても戻って来ないので、多分、出口を間違えたのだろと思って周囲を探していたという。
いやぁ〜申し訳ございません!
“先生”はコンクリート製の壕には一緒に入ったが、この素掘りの壕には一緒に入らなかった。
どうも、こういうのは好きではないようである。
いやぁ〜一緒じゃなくて良かったぁ〜(笑)
もし、これが一緒だったら・・・・何を言われたかわかったもんじゃない。(笑)
“おじさん”の話では、この近くの地下に「プール」があるという。
早速、そこへ案内してもらった。
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「プール」のある地下壕の入口 |
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暗くて奥の方がよく見えないが・・・・
確かに水の溜まっている“槽”のようなものが見える。
プールにしては狭いのではないか?
もしかして、風呂かな?
でも、地下壕に風呂なんか作ったのだろうか?
あと考えられるのは・・・・発電設備の冷却水。
無線設備やレーダーなどの設備があったとすれば発電設備もあったはず。
その発電機を冷却するための冷却水の貯水槽ということも考えられるのではないか?
そういう設備や機械がこの近くになかったかどうかを尋ねるのを忘れてしまったのは失敗。
いつか、今度は一人で来た時に、もう少し周囲を詳しく調べてみたいものだ。
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案内してくれた“おじさん”と子供たち |
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周囲の景色 |
さて・・・冒険はこれで終わり。
地下施設から丘を登って小学校のわきを通り帰る。
歩いた感じでは、あの坑道は、この小学校の真下ぐらいまで伸びている感じがする。
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マルマルアン小学校 |
突然、「マルマルアン小学校!」と叫ぶ声が聞こえた。
ん?なんだ?
近くの売店の“おばちゃん”がお店の鉄格子越しに私に向かって叫んでいたのである。(笑)
「その建物はマルマルアン小学校っていうんだ」と“おばちゃん”
「マルマルアン小学校?」
「そう、マルマルアン!」
「じゃぁ〜ここはマルマルアンなのですか?」
「そう、ここはマルマルアン」
なんと!
「お〜い!サミエ〜ル!ここはマルマルアンなのか?」
「そうです・・・マルマルアンです」
「なぬぅ〜それを早く言え!」
マルマルアンなら知っている。
戦時中、日本軍が「中央高地」と名付けていた場所である!
ここが「中央高地」かぁ〜
帰る時になって、ようやくここがどこなのかがわかった。(笑)
ということは・・・「コーストウォッチャールックアウト」という場所と「マルマルアンの丘」「中央高地」は同じ場所のことを指しているのかぁ〜
村人の見送りを受けて・・・・昼飯を食べにラバウルの町に向かう。
この丘から町へ向う道は、戦時中、日本軍が作った道だそうで、現地の名前は「プーマ道」という。
「日本軍が造った道は立派です。運転しやすいです」とドライバーが言う。
たしかに・・・他と比べたら、いい道だけど・・・・舗装したのは戦後だよね?(笑)
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プーマ道 |
この道の斜面にいくつもの横穴がある。
退避壕のようである。
私が調べた文献では「大坂道」に50m間隔で退避壕を造ったとある。
ということは・・・この道は日本軍名「大坂道」なのだろうか?
たしかに「大坂」というくらい“大きな坂道”ではあるのだが・・・・
車を止めて、この退避壕の一つに入ってみる。
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道路脇の退避壕? 車両を避難させるためのものにしては小さな横穴である。 人間が退避するには、内部が真っすぐ奥に伸びている。 これでは、砲爆撃の爆風や破片が横穴の奥へ真っすぐ入って来てしまうのではないだろうか? 敵機の機銃掃射からの退避だけを想定して作った壕なのだろうか? |
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道路がカーブする所の木の下に退避壕が2つばかりあった。 ついでに、ここも覗いてみる。 |
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内部は少し面白い作りになっていた。 手前の右側には奥行きが浅い横穴が掘られていた。 人間、1人〜2人が隠れるのが精いっぱいという感じである。 左の奥には段差がある奥行きの浅い横穴がある。 人間、1人が膝を抱えてやっと入れるという感じ。 どちらかと言えば荷物置き場のような感じに見える。 壕全体が綺麗に四角に掘られているのも気になる。 リヤカーに積んだ荷物をそのまま運びいれるとか・・・? この壕の目的はいったい何だろうか? |
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道路脇のもう一つの横穴 |
時刻は11時半を過ぎた。
腹も減ったし・・・・道草はこれくらいにして・・・・ラバウルの旧市街へ向う。
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