飛行機が来ない!

(ラバウル空港)


平成21年(2009年)3月7日・第8日目

さぁ・・・今日は帰国の日である。
まだ夜も明けぬ真っ暗な中、ホテルをチェックアウトして空港へ向う。
サミエル君は約束通り、今朝はちゃんと出勤していた。(笑)
午前5時過ぎ空港に到着。

さて・・・朝食は??
旅行日程表によると今日の朝食は「弁当」となっている。
「お〜い!サミエ〜ル!朝食はどうなっているんだ?」
「朝食?・・・・ありませんけど・・・・」
「スケジュール表では弁当ってなっているけど、弁当なんかないだろうから、サンドイッチかなんかじゃないか?」
「え?サンドイッチが食べたいんですか?」
「そうじゃないって!朝食にサンドイッチか何かを用意してないのかって聞いてるの!」
サミエル君・・・どこかに行ってしまい・・・・まもなく再び現れて・・・
「サンドイッチ・・・・今、作ってます!」
「どこで?」
「ホテルで作っています!」
「はぁ?今?ホテルで?・・・・で・・・・誰が空港まで持ってくるの?」
「さぁ〜わかりません」
あのね・・・・(唖然!)

午前7時5分発、パプアニューギニア航空でポートモレスビーに向かうのだが・・・・
あれ?
待てど暮らせど・・・・滑走路は静かなのである。
とうとう出発予定の7時を過ぎてしまった。
まぁ、多少の遅れは普通だろうと思っていたら・・・8時になっても飛行機が来ない!
あれれ???
そのうち、空港内で放送があったが、何を言っているのかさっぱりわからないので無視。(笑)
すると、近くの警備員が「カウンターのところで何か説明があるらしいからカウンターの所へ行け」と声をかけてくれた。
早速、チェックインカウンターへ行くと乗客が集まっていた。
で・・・職員の説明・・・
しかし、これが全くと言っていいほど聞き取れない!
小さな声で何やらボソボソと言っている。
この肝心な時に・・・私は彼の話す英語が全く理解できない!
参ったぁ〜
英語が苦手というのは、こういう時に不便である。
どうも飛行機は来ないらしいことは雰囲気でわかったが・・・・
で・・・どうすりゃいいのよ?(笑)
11時とか、12時とか・・・何か時間を言っていたのはわかったのだが・・・
で・・・11時・・・って何?何が11時???
11時に戻ってこい・・・なのか、11時に飛ぶ・・・ということなのか・・・
それがイマイチわからない。(笑)
とにかく、11時頃に空港にいればいいんだろうと勝手に解釈。

で・・・サミエル君・・・
「じゃぁ、ホテルに一度戻りましょう」と、いともあっさりと言う。
「ん?やっぱり飛行機は来ないのか?」
「はい、来ません!」
「で・・・いつ来るの?」
「たぶん・・・お昼ごろかな〜・・・だからホテルに帰りましょう!」

あらら・・・
折角午前4時前に起床して空港に来たのに・・・・
また戻るのかぁ〜(笑)
どうも噂によると、ラバウルへ来る飛行機の乗客がいなかったので運航するのをやめたんだとか・・・
そんな・・・馬鹿な・・・(笑)
こっちに来る乗客がいなくても、こっちから乗る乗客はいるんだぞ!
そんな理由で運航をやめるなんて・・・本当だろうか?(笑)

ホテルに到着したところ、バイキングの朝食を食べてもいいというので、タダで御馳走になる。
で・・・11時頃までレストランで暇つぶし。
まもなくサミエル君がサンドイッチを持ってやってきた。
「サンドイッチ!出来ました!」
「あのな・・・・今頃かい・・・」
「これ・・・お昼に食べて下さい」
「おお!そうかい?悪いねぇ〜ありがとう!」

11時・・・再び空港へ。
我々はこれからポートモレスビーへ行き、午後2時15分発の成田行きに乗らねばならない。
この成田行きは1週間に1便しかないので、これに乗れないと・・・・マズイ!(笑)
が・・・しかし・・・どうも様子が怪しいのである。(笑)
“先生”はどうにもこうにも落ち着かない。
「ねぇ、12時にここを飛べば何とか間に合うんだろ?」
「はい、飛行時間は1時間20分ですから・・・現地到着が1時半ごろで・・・国際線の出国手続きがありますから・・・ギリギリっていうところでしょうね」
「参ったなぁ〜なんとか12時に飛んでくれないかね〜」
「さぁ〜まだ飛行機が到着していないんでなんとも言えませんけど・・・」
「間に合わなかったらどうなるの?え?なんとか12時には飛んでもらわないと困るんだけど!」
「あの・・・そういうことを私に言われても・・・・」(笑)

まもなくお昼である・・・・
“先生”は“檻の中の熊”状態となる。
空港内をウロウロ、ウロウロ・・・・
で・・・空港職員に何度もしつこく出発時間を尋ねている様子だが・・・・
空港職員もどうしようもない。
だって・・・飛行機がやって来ないんだもん!(笑)
出発時間が読めるわけがない。

まぁ、落ち着きましょうよ〜
そろそろお昼ですし・・・・“腹が減っては戦は出来ぬ”ですから・・・・
サミエル君から渡されたサンドイッチでも食べましょう!
お昼用にサンドイッチをもらっていて助かった〜(笑)

お昼のサンドイッチ!

さて・・・
いつ到着するのかわからない飛行機を待つというのは退屈でしかたがない。
ついついタバコを吸いたくなるが、空港内は禁煙。
仕方がないので空港の外に出てタバコを吸うが、これが頻繁なので、さすがに空港職員から呆れられた。
「またタバコを吸いに行くのか?」
「そう!(笑)」
もう何度も出たり入ったりしているので、拙者に対するセキュリティチェックはついになくなってしまった。
どうぞご自由に出入りしてください・・・・である。(笑)

ふと・・・思いついた・・・
携帯電話を使って旅行社のポートモレスビー支店にかけてみようか・・・・
携帯電話で海外から日本へ電話をしたことは1度だけあるが、外国内で使用したことはない。
試しにかけてみたら・・・・つながった!
応対に出てくれたのは日本人。
電波の状況が悪いのか、途切れ途切れではあるがなんとか話は出来た。
「7時の飛行機が来なくて、今、12時発の飛行機を待っているんですが・・・成田行きに間に合いますかね?」
「こちらでも7時の便が出なかったことは把握していますが、12時に飛ぶんですか?」
「そのような話なんですが・・・」
「こちらでは3時ごろという情報が入っていますけど・・・」
「3時?」
「いや、もし本当に12時頃に飛ぶのなら、成田行きの飛行機を待たせますから・・・」
「いやぁ〜そりゃ助かります!」
「とにかくまた電話をください」
「了解!」

これで旅行社との連絡は確保した。
いやぁ〜連絡が取れてよかった。
心強い。
今回は旅行社を通してのツアーだが、もしこれが、格安航空券を個人で取って、旅行社を通さない旅行の場合は、こういうトラブルに巻き込まれた時にはどうすればいいのだろうか?
想像しただけで気が滅入る・・・・
いやぁ〜フォローをしてくれる人がいるというのはありがたいことである。

が・・・・希望は空しく裏切られた・・・・
12時を過ぎても飛行機が来ない!(笑)
“先生”は大騒ぎである。(笑)
「今、飛行機が来れば・・・すぐに乗れば・・・なんとか間に合うだろ?」
「でも、荷物を載せて、燃料も補給しますからねぇ〜最低でも30分はかかるんじゃないんですか?」
「えっ!30分もかかるのか!じゃぁ、間に合わないじゃないか!」
「いや、30分というのは私の予測ですから本当はどのくらいかかるかわかりませんけど・・・」
「参ったなぁ〜間に合わないじゃないか!」
「だ・か・ら・・・・私に言われても・・・・」
「参ったなぁ〜・・・成田行きの便は我々を待っていてくれるんだろうね?」
「いやぁ〜そりゃ無理でしょ。1時間も出発を遅らせるなんて考えられませんよ。10分ぐらいならわかるけど・・・無理ですね!」
「いやぁ〜参ったなぁ〜」
「もう、腹をくくりましょうよ〜・・・こういうハプニングも面白いじゃないですか!」
「・・・・・・」

人間というものは不思議なもので・・・・
相手がうろたえると、私は俄然、気持が大きくなるのである。(笑)
これが一人だったら、こうはいくまい。
多分・・・ベソをかいていると思う。(笑)
“先生”が大いにオロオロしてくれたおかげで、私の精神は安定・・・・(笑)
“先生”には大いに助けてもらった。(笑)

空港には我々の他に日本人がもう一人。
現地駐在員で日本に一時帰国するという方がいた。
ここで会ったのも何かの縁・・・・
というわけで、一緒にコーラを飲みながらおしゃべりをして時間を潰す。
私以外の話し相手ができて“先生”も少し落ち着いてくれた。
この駐在員さんにも感謝である。

いずれにせよ、成田行きには間に合わないことが確定した。
さて・・・どうするか・・・
ポートモレスビーへ電話して事後対策の打ち合わせをする。
(本当に、携帯電話というのは便利である!)
3時頃に飛行機が離陸するのならマニラ行きの便に乗り換えて、今晩はマニラに宿泊してもらい、翌日成田に帰ってくれとパプアニューギニア航空が言っているという。
なに?マニラ?マニラなら何度も行っているので気持ちも楽である。
帰国が1日遅れるが・・・・まぁ・・・仕方がないだろう。

で・・・・
午後2時に出発という情報も流れたが・・・・飛行機が来ず・・・・
ついに3時となる。
ようやくやってきたと思ったら・・・別の場所へ行く飛行機だった!
いやぁ〜“先生”の怒ること怒ること。(笑)
「なんとかならんのか!あの飛行機でポートモレスビーに行くわけにはいかないのか?」
「そんな・・・無茶苦茶な〜」(笑)
「そこをなんとかならんのか!」
「あのですね・・・陥落寸前のサイゴンから脱出するっていうわけじゃないんですから・・・戦時中ならまだしも・・・命がかかっているわけじゃないんですから・・・待ちましょうよ!」
「・・・・・・」

それにしても遅い・・・・マズイ・・・・
何がマズイのかというと・・・・火山灰・・・・
風向きが変わり「花吹山」の火山灰が空港の方へ流れてきたのである。
このままでは、降灰のため飛行機が着陸出来ず帰ってしまうという情報を得る。
マズイ・・・・
降灰がひどくなる前に来てくれなければ・・・・
時間との勝負である!(笑)

3時半・・・・ようやく飛行機がやってきた!
さぁ!乗り込め!

向こうに見えるのが「花吹山」の噴煙

滑走路脇のフェンスには見送りの人だかり。
と・・・ひときわ大きな声で叫んでいる奴がいる!
サミエルだ!(笑)
サミエル君・・・・我々の飛行機が離陸するまでずっと空港の外で待っていてくれたのである!
いやぁ〜感激である!
「お〜い!」と私も手を振って答えるが・・・・
“先生”は飛行機に乗るのに必死で、それどころじゃないらしい。
「サミエル君が手を振ってくれてますよ」と教えたが、“先生”は手を振る余裕もないらしい。(笑)
いくら急いで乗り込んでも、燃料を補給せねば飛行機は飛ばないのだが・・・(笑)
で・・・
やってきました!燃料補給車!
ありゃ・・・
耕うん機に引っ張られてる小さなタンク・・・・(笑)
それっぽっちで燃料は足りるのかい?

燃料補給車
荷物も積み込む・・・・

あのぉ〜もう少し・・・急いでもらえませんかね?(笑)

午後4時過ぎ、ようやく離陸!
さぁ〜行けぇ〜ポートモレスビーへ!(笑)

 上空から見たラバウル空港


 


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