再び地下壕の探検

(ラバウル)


平成21年(2009年)3月5日・第6日目

ラバウルの町に入る途中、先日訪れた地震観測所がある山の麓に立ち寄る。
この間、ここを通った時に横穴のようなもが車窓から見えたので気になっていた。
ちょっと確認してみたい。
地震観測所の山は後ろに聳える「姉山」の尾根づたい・・・・・
この「姉山」には「金剛洞」と呼ばれた南東方面艦隊司令部の一大地下壕があった。
約1千名がここにいたというのだから、かなり大きなもののはずである。
この横穴は、その一部かも・・・・と思い内部に入ってみる。

山の斜面の横穴群

トンネルの内部はそれほど広くない。
違うな・・・司令部の壕にしては小規模である。
単なる退避壕かな?

“先生”は、なぜか、ここを熱心に撮影する。
私は外でタバコを吸いながら暇つぶし・・・・
私の方は大したことがない横穴なので撮影はすぐに終わってしまったのだ。(笑)

山から下りてきた少年が、横穴内部で撮影している“先生”をジ〜ッと見ている。

すると・・・・山から下りてきた一人の少年がずっと洞窟の前に立ったまま動かない。
変な奴だな・・・何だろう?
声をかけてみたら理由がわかった。
彼はジャクソン君(17歳)・・・・この山の持主だという。(笑)
「いやぁ〜そうだったの?洞窟の写真を撮っているんだけど・・・撮っていいよね?」と言ったら、うなずいてくれた。
彼から見たら我々の方が「変な奴」だったわけである。(笑)
「勝手に俺の土地に入って何をしているんだ?」と我々に尋ねることもなく・・・・
ただただじっと見ていたのである。
で・・・・折角だから・・・ポーズをとれよ・・・写真を撮ってやるから・・・・と言ってパチリ!(笑)

ジャクソン君(17歳)

デジカメのモニター画面を見せてやったり、片言英語でおしゃべりしたりしたせいだろうか・・・・
彼が自分のカバンの中から椰子の実を差し出した。
ん?
彼が水筒代わりに持ち歩いていた椰子の実らしい。
のどが乾いたら、この汁を飲むつもりだったのだろう。

椰子の実の上の部分を持っていた刀で切り落として、どうぞ・・・と渡された。
いやぁ〜悪いね〜いいの?
これ・・・もらっちゃって?
いやぁ〜おいしい!
お礼にあげるものがなく申し訳なかったが・・・・

“先生”の撮影も終わったようなので・・・・
ジャクソン君に別れを告げて、車に乗り込み出発。
この山の下の幹線道路わきにも横穴があったような気がしたので、そこへも行ってみる。

道路の脇に小さな横穴の入り口が・・・
一見、下水管の排水口にも見えるのだが・・・

内部に入ってみたら・・・・これがすごい!
かなり広くなっていて、しかも奥までずっと続いている。
坑道は縦横に何本も走り・・・・いやぁ〜こりゃすごい!
またまたペンライト1本を頼りに奥まで行ってみる。
当然、坑道の中は真っ暗である。
小さなペンライトでは、ボンヤリとしか見えない。
カメラのストロボを照明代わりにパチパチ光らせて前方や横道を確認する。

途中には落盤している場所もあったが・・・・なんのその・・・・
(本当は危険だと思うのだが・・・誘惑には勝てない・・・)
途中で気がついて歩数を数えてみたら、横に走る坑道はゆうに30mを超えている。
縦に走る坑道はそれ以上の長さがあるから100mくらいあっただろうか・・・
落盤で奥まで進めなかったので、本来はもっと奥まで続いているのかもしれない。
大地下要塞である!
残念ながら日本軍がいたという証拠になるようなものは何もなかった。
壁面にも日本語で書かれたようなものは見当たらなかった。

ふと気がつくと・・・後ろには誰もいない!
ゲゲッ!
入口付近までは一緒だったはずだが・・・
中に入ったのは私だけか?
マズイ・・・帰らねば!

と・・・またもや方向音痴・・・・・
しかし、落盤の跡や坑道の広さに特徴があったりしたので、今度は迷わず戻れた。(笑)
しかし・・・本当はこういうのは危険なんだよなぁ〜
奥のほうまで行ったのはいいが・・・・もし空気が無かったら酸欠で倒れたかもしれないのである。
いやぁ〜危ないことをしてしまった〜
後になってから気がつくんだから間抜けである。
で・・・外に出たら・・・・
みんなは車の中に乗って待っていた・・・・(唖然)
万が一、私に何かが起っても助ける気はなかったということね・・・・

サミエル君の話では、これはドイツ軍が造った地下要塞だという。
ドイツ軍が造ったの?
と言う事は・・・・第1次世界大戦の時っていうことか?
それにしても立派な地下壕である。

時刻は4時半を過ぎた・・・・
ここで今日の戦跡訪問は終了、ココポのホテルに向かう。
運転手がラジオをつけたのだが・・・・流れてきたのは音楽ではない。
誰かの演説・・・・
こんなものを聞いて何が面白いのだろうかと思いながら車に乗っていたのだが・・・

5時20分・・・ホテルに到着。
ホテルの前で何かやっている。
何だろう?
ラジオから流れてくる演説と、同じ演説がホテルのエントランスのスピーカーから流れている。
私の耳にはステレオ放送で演説が入ってくるのである。(笑)
ん?実況生中継??(笑)

ホテルの前でのセレモニー

サミエル君に尋ねたのだが、どうも彼の説明がよくわからない。(笑)
なにやら新しく知事か何かに就任した人なのか・・・そういう偉い人の祝賀セレモニーをしているらしい。
なるほどね。
それで我々が到着した日に突貫工事でエントランスのところを整備したり、建物にペンキを塗っていたんだ。
しかし、そういうことは、もっと早めにやっておくべきじゃないの?
いや、まてよ・・・選挙に勝つか負けるか分からなかったからギリギリになったのかも・・・
それにしても、正面玄関のど真ん中にステージを作るのはいかがなものか・・・(笑)
我々がホテルに入れないじゃないか!(笑)
仕方がないので、周りにお集まりの皆さんをかき分け・・・ホテルのフェンスの隙間から敷地内に入る。(笑)

さて・・・明日の件の打合せ。
明日は自由行動日でツアー料金には組み込まれていない。
“先生”は、どうしても明日は一人で行動したいご様子。
“先生”だけ追加料金を払ってツアーに出かけてもらうことにする。
ドライバーとサミエル君に明日案内してくれるよう頼み、私は一人でココポの海岸を散策することにする。
これで先生もご満足だろう。
サミエル君にココポの海岸に日本軍のトーチカが残っているはずなので尋ねたのだが・・・
「知りません。トーチカなんかはないですよ。見たことないです」と言う。
う〜ん・・・君の「ないですよ〜」は信用できないからなぁ〜(笑)
ここは自分の勘に頼って探してみよう。

私としては、もし、行けるのなら明日は「戦犯処刑跡地」を探してお参りをしたかったのだが・・・
実際現地に来て、「花吹山」の噴火を見て、こりゃ、駄目だと悟った。(笑)
正確な場所は知らないが、、「戦犯処刑地跡」は「花吹山」の山麓にあるらしい。
戦後、ここで戦犯の処刑がオーストラリア軍の手で執行された。
その戦犯として処刑された人達の中に馬場正郎閣下がいる。
馬場さんは騎兵出身。
昭和16年、開戦直前に京都で第53師団が編成されたのだが、その初代師団長が馬場さん。
で・・・その時の副官だったのが私の祖父。
馬場さんは祖父の上官だった方である。
馬場さんは終戦後東京にいたが、部下たちがラバウルの戦犯収容所にいると聞いて、無実の部下を助けようと思ったのか、自ら進んでラバウルへ向ったのである。
が・・・飛んで火にいる夏の虫・・・とは、このことである。
馬場さんは陸軍中将・・・
“将軍”が自らやってきたのだから、彼等が何もしないわけがない。
戦争犯罪を犯していないにもかかわらず・・・・絞首刑に処せられてしまったのである。
畜生!・・・・である!
だから私はオーストラリア人が嫌いなのである!
馬場さんが処刑された跡地へ行って慰霊をしたかったが・・・・
残念ながら火山が噴火していては近づけない。
なんとも残念である。
出来れば、明日の自由行動日に行きたかったなぁ〜
お線香も持ってきたんだけどなぁ〜
昔、私が子供の頃、馬場さんが祖父に宛てて書いた手紙を祖父に見せてもらったことがある。
やさしくて綺麗な字の手紙だった。
当然お会いしたことはないが、その人柄が偲ばれる手紙だった・・・・
馬場閣下!
申し訳ございません!
副官の孫です!
すぐ近くまでは来たのですが・・・・お線香をあげに行けません!申し訳ございません!
心の中で叫ぶしかない・・・ツライ・・・
思わず涙が出てくる・・・・

さて、夕食だが・・・
新しく決まった知事さん(?)の祝賀パーティーでレストランは貸し切り状態・・・・
あれ?・・・我々の夕食はどうなるの?
とりあえずレストランに顔を出したら・・・
顔見知りのウェイトレスに、パーティーに参加して食事をしてくれと言われた!(笑)
はぁ?
何で我々もパーティーに参加しなくちゃならないのだろうか?
そうじゃなくとも私は社交的なほうではないのである。
パーティーには不慣れなのである。(笑)
参ったなぁ〜

パーティー!
民族衣装を着た(?)人たちが歌や音楽で会場を盛り上げていた

で・・・・我々の食事・・・・
基本は立食パーティーのようなのだが、我々二人は空いているテーブルの椅子に座って陣取った。(笑)
ウェイトレスがテーブルに食事を運んできてくれたが・・・
大盛りのサンドイッチとエビの天ぷらと・・・・何だかわからない葉っぱの炒め物・・・・
ん?これだけ?(笑)
ホテルの社長さんがやってきて「ドンドン食べて下さい。たくさん用意してますから・・・」と声をかけてくれた。
が・・・たくさんって言っても・・・・3種類だけ?(笑)
飲み物は無料で何でも飲んでいいという。
おお〜そりゃうれしいが・・・・
今晩の夕食はサンドイッチとは・・・・・(笑)
こうなったら「ヤケ食い」である。
一皿全部食べてやったぞ!(笑)

夕食!

 


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