5.まさか、死んじゃった?

(ダリアオ)


平成21年(2009年)4月24日(第2日目)

南へ30分ほど走る。
向かった先は「ダリアオ」という場所。
ここには終戦時、捕虜収容所があり、降伏した日本兵達が収容された場所である。
当然、藤井さんもここに収容されたはずなので、お連れすることにしてみたが・・・・
さて・・・どのあたりが収容所跡だったのだろうか?
ドライバーもガイドのステラさんもわからないという。
私も話で聞いただけだから具体的な場所は知らない。
とにかく近くの町で適当に尋ね歩くことにする。

聞き取り調査中!

偶然会った地元のおじさんが案内してくれると言ってバイクで先導してくれた。
このあたりが収容所跡・・・というところに到着。
ウトウトとしていた藤井さんに「着きましたよ!」と声をかけたのだが・・・・
「う〜ん・・・眠くて仕方がない・・・ちょっと横にならせてくれ・・・・」と言ってバタンと横になり寝てしまった。
あらら・・・・
折角、思い出の地に来たのになぁ〜
仕方がない・・・一人で近くを散策してみるか・・・
こういう場合は自動車ではなく徒歩で歩き回った方が何か見つけることができる可能性が高い。
藤井さんのことはステラさんに任せて、一人で周辺を歩くことにする。

日本兵捕虜収容所跡(推定)

今回の旅行にも一眼レフを持ってきている。(重いけど・・・)
首からぶら下げてウロウロ、キョロキョロしながら、あちこちをパチパチと撮影する。
と・・・地元の、ちょっとゴツイ・・・ちょっと恐そうな・・・お兄ちゃんたちから声をかけられた!(汗)
ゲゲッ!マズイ!
彼らが何を言っているのかわからない。
多分、ビサヤ語かなにかなんだろう。
私はタガログ語すらわからないのだから、ビサヤ語なんて尚更わからない。

まぁ、彼らからしたら見知らぬ男がやたらと写真を撮りまくって歩いているんだから「不審者」と思ってもおかしくはない。
片言英語で、ここが収容所跡なのか、何か当時のものが残っていないかを尋ねたが・・・
この周辺が収容所跡だったらしいという話は聞いたことはあるが、正確にどこがそうだったのかはわからないと言う。
まぁ〜仕方がないか・・・・
当時は広大な土地を鉄条網で囲ってテントを建てていただけの収容所らしいから・・・
戦後60年以上も経てば、その痕跡は何も残っていないのが普通かもしれない。
事後承諾となったが、写真撮影の許可を得て・・・車に戻る。
意外にも撮影の目的を話したら「OK!OK!]と快く返事をしてくれた。

で・・・藤井さん・・・・
熟睡というか爆睡というか・・・・ぐっすり眠っている。(笑)
無理に起こしたのではかわいそうだ。
藤井さんは起きそうもないし・・・・「じゃぁ、ホテルに向かいますかぁ〜」ということで、ダバオの中心へ向うことにした。

途中で通過した町・・・名前は知らない。(笑)

帰り道は交通渋滞・・・・
時刻は5時を過ぎた・・・・退勤時間とぶつかったか?
ドライバーの話では、道路はこれ1本しかなく、迂回する道はないと言う。
あらら・・・

ふと、藤井さんの様子を見たら・・・・あれ?
ピクリとも動かない・・・・
収容所跡を出発した時の姿勢のまま・・・・ピクリとも動いていない!
うそ!
まさか・・・死んじゃった?
ゾォ〜ッ・・・・思わず背筋が冷たくなる。
普段、大らかなステラさんですら「大丈夫でしょうか?」と不安げな顔で私の顔を見る。
おい、おい、冗談じゃねぇぞ・・・・まさか・・・そんな・・・・
脳梗塞再発か?
でも、いびきをかいているわけじゃないから大丈夫じゃないか?
かすかに、お腹が動いているから呼吸はしているようだ・・・・
ということは・・・心臓は動いているよな?
死んではいないようである。(笑)
が・・・・大丈夫だろうか?
起こすべきかどうか・・・迷うところである。
寝返りも打たず・・・ピクリともしない場合は、一度声をかけて起こすべきだろうか?
こういう場合の対処の仕方がわからない。
とにかく外の景色を見ているどころじゃない!
横になっている藤井さんの姿をずっと見続けて、万が一変化があったら・・・と監視する。
とにかくこのまま、そっとしておいたほうがいいだろう。
下手に起こしても良くないだろう。
血圧が急に上がるとか、驚いて心臓に負担がかかるとか・・・なにかあったら大変だ。

クラウン・リージェンシーホテル

出発してから1時間半後・・・・ようやくホテルに到着する。
車が停車した途端、ガバッと藤井さんが起きあがった!
うわっ!
こっちの心臓が止まるかと思った!(驚)
「いやぁ〜寝ちゃったよ〜・・・・あっ・・・ホテルに着いたの?」
意外にもケロッとしている。
あ〜良かったぁ〜
「ピクリともしないので、死んだのかと思いましたよ〜」と言ったら、藤井さんは大笑い。
「いやぁ〜すまん、すまん、どうしても眠くて我慢できなかったんだ」

本人はかなり緊張していたのかも。
疲れがドッと出てしまったのだろう。
いや〜笑いごとで済んで良かったが・・・
こっちの寿命は10年は縮まった・・・・(汗)

ホテルは一見、どことなくスペイン風の建物である。
中庭にはプールがあり、フィリピン人の子供達がキャーキャー騒ぎながら遊んでいた。
プールの脇を通り、その奥のレストランの中を通りぬけて狭い階段を上ると客室がある。
階段かぁ〜・・・・参ったなぁ〜
ステラさんも「1階の客室は満室だそうで、2階しか空いていないんだそうです。すみません」と恐縮していたが、仕方がないよなぁ〜・・・これだけは・・・
杖をついて歩く藤井さんには、ちょっと申し訳ないが我慢して階段を上ってもらうしかない。

部屋は広いが・・・・殺風景(笑)

話によれば、ダバオは観光地のため、ホテル代が高いのだそうだ。
同レベルのマニラのホテルと比較すると、マニラよりダバオのほうが高いのだそうだ。
ダバオって観光地?
どうみても観光地のような感じには見えないのだが・・・・
我々が、そういうところをまだ歩いていないからわからないだけなのか?
リゾート地っていう感じにはどうみても思えない。

というわけで、現地の旅行社はかなり苦労して安いホテルを探してくれたらしい。
が・・・外観はいいのだが・・・部屋の設備は全くと言っていいほど充実していない。
むやみに広い部屋にベッドだけがポツン・・・・「安宿」か「合宿所」のような感じ・・・・
まぁ、仕方がないかぁ〜。
テレビがあるだけでもよしとするかぁ。
藤井さんとは別々の部屋。

ここに2泊することになる。

夕食!

で・・・今日の夕食は、ホテルのレストランで中華料理を食べることにする。
時刻は6時40分・・・・
だいたい予定通りの行動である。
食後にコーヒーを飲みながら雑談。
一応、明日は一日中、山の方を走り回ることにする。
もし、藤井さんの体調がすぐれない時は、ホテルに戻ってそのまま休憩するということにした。
無理をしても仕方がない。
無理は禁物であることを藤井さんに念を押す。
さっきのような心臓が止まるような思いは勘弁願いたい。(笑)
今日も、藤井さんのいつもの生活パターンとほぼ同じ時刻に就寝してもらう。

ダバオは禁煙都市(?)らしい。
当然、ホテルの部屋は全て禁煙ルーム・・・タバコが吸えない!(笑)
ヘビースモーカーとしては、これは苦しい。
プールサイドに灰皿があるので、寝るまでの間、ちょくちょくプールサイドまで行ってタバコを吸う。
やっぱり藤井さんと別々の部屋で良かった。
一緒の部屋では、そうそうチョコチョコとタバコを吸いに出かけられないもんね。


  


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