6.クラーク博物館と空軍博物館

(クラーク・マニラ)


平成24年(2012年)10月18日・4日目

今日は、このクラーク地区にある「クラーク博物館」に行く予定。
今年の4月に訪れたが、館長が不在のため会えなかった。
今度こそは・・・ということでの再訪問である。
これが今日のメインイベント・・・
博物館だから・・・多分、開館は9時頃だろうということで、ホテルのチェックアウトは午前9時ということにする。
今日の朝は、ちょっとゆっくりできる。(笑)

時間に余裕があったので・・・・
ホテルの中庭やプールなどを見て歩く・・・・

朝食は8時・・・・
だが・・・このホテルの従業員達・・・
全然真面目に働かない・・・
いくら呼んでもやって来ない・・・・
何をしているのかと思ったら従業員同士でおしゃべりをしているのである。(唖然)
我々“お客様”が呼んでいるのに・・・無視!
さすがに“ステラさん”が怒る。

建物は洒落ていて格好がいいんだけど・・・
従業員の質が悪い・・・
格好だけか・・・

朝食

「朝食にはドライバーさんも誘いましたけど、いいですか?」と“ステラさん”
「おお!そりゃ、当然!大いに結構!そうじゃないとね!」(笑)
追加料金がかかるが、そんなことを気にするような“お坊ちゃま”ではないのである。(大笑)
一緒に行動しているんだから、できるだけ一緒に・・・というのが私の考えである。
3人で朝食を食べ、一服して・・・(笑)
ホテルをチェックアウトして博物館に向かう。
しかし・・・“ステラさん”は博物館の場所を知らないと言う。
私は半年前に行っているので、何となくわかるが、方向音痴なので自信はない。(大笑)
タブレットの地図を頼ればいいだろうと思っていたら・・・
ドライバー君は、昨日のうちに下見に行って来たと言う。
「おお!下見してくれたの!」(大喜)
「はい、昨日、帰るときにホテルのスタッフに場所を尋ねて、下見してきました」と言う。
いやはや大したものである。
半年前に使った地元旅行会社のドライバーとは月とスッポンである。(大笑)

クラーク博物館に到着したら、入り口に何十人もの“セキュリティ”が集まっていた。
何事かと尋ねてみたら、警備員のセミナーがあるので集まっているという。
へぇ~・・・である。
博物館で、そういうこともやるのか・・・
半年前に会った博物館の女子職員たちの姿が見えない。
あらら・・・これじゃ、話が通じにくいなぁ~(汗)
博物館の女子警備員に来館の目的を告げるが、しっかりと入館料を取られた。(大笑)
ドライバーの入館料も支払い、館内を見学して時間を潰してくれるように告げる。
何事も勉強です!ちゃんと歴史を勉強してください!(笑)

「館長に会いたいんですけど・・・」を前回言った時に、「館長」をdirector(ディレクター)と呼んだら、受付の職員に正しくはcurator(キューレイター)だと注意された。(大恥)
博物館や美術館の館長の場合は、ディレクターではなくキューレイターと言うのだそうだ・・・
ようやくこの英単語を覚えたので・・・(笑)
今回は間違わずに言えた!(喜)

警備員に館長室まで案内され、館長さんに面会・・・
前回、女性館長と聞いていたので、若い人だろうと勝手に想像していたら、かなりお歳を召した方だった。(苦笑)
“ステラさん”に通訳をしてもらうことにしたが、最初の挨拶と来館の目的等ぐらいは、下手な英語でも私が自分で言ったほうがいいだろう。
その後の難しい話は彼女に通訳してもらうことにする。

拙者の訪問の目的は・・・
展示されている日本軍の遺品に対して説明文を掲示してもらいたいというのが一つ。
もう一つは、これらの遺品の入手先を知りたいというものである。
が・・・
館長は、忙しいとか、そんな時間はないとかと言って全然、話に乗る気はなさそう。
4月に資料を持参して来たが館長が不在だったのでスタッフに渡してくれるように頼んでおいたのだが・・・・と言ったら、そんなものはもらっていないとアッサリ・・・
あらら・・・である。(折角の資料を・・・これだからフィリピン人は信用できないのである。)

館長の愛想がかなり悪かったせいなのか、“ステラさん”が「こちらの方は、日本の歴史家で、本を何冊も出している方です」などと私を紹介した。
ゲゲッ!私は本なんか書いたことないんですけど!(大汗)
それ・・・ハッタリ?(苦笑)
それを受けて、館長は「あ、そう、私は大学の教授ですけど!」と反撃(?)(汗)
いやはや、参った・・・

ふと、館長の机の上を見たら、灰皿がある。
あれ?・・・・と思った瞬間・・・
「タバコを吸ってもいいですか?」と館長・・・
「私たちもタバコを吸いますから大丈夫です。2人とも、かなりのヘビースモーカーです」と答えたら、一気に話が転回!
「あなたたちも吸って!そうぞ吸って下さい!」と館長。
「あなたの日本のタバコを1本吸ってみたいんだけど・・・」と館長に言われたので、差し上げたら、これは美味しいと大いに満足してくれた。
それならと、予備に持っていたマイルドセブンを1箱プレゼントする。

時間がないとか、忙しいとか言っていた割には、館長は4本も立て続けに吸うのだから、かなりのヘビースモーカーである。(笑)
「じゃぁ、館内を案内するから、日本軍の展示品の説明をして下さい」と言う。
あれ?忙しいんじゃなかったの?(苦笑)
タバコがきっかけで話が好転してしまったようである。
こうなると、喫煙もそうそう悪いことばかりではあるまい?・・・コミュニケーション・ツールの一つにもなるでしょ?(笑)

“歴史家”と紹介された以上、日本軍の展示品の説明が出来ないとなると真価が問われてしまう。
冷や汗ものである・・・(大汗)
「これは、何ですか?」「何に使うんですか?」「どう使うのですか?」と館長から矢継ぎ早に質問が飛ぶ。
専門用語は“ステラさん”では通訳できないので、私が直接英語で説明しなくてはならない。
たぶん、こういうことは起こるだろうとは思っていたので、持参してきた資料を見せながら説明をする。

展示品の説明文の掲示については、相変わらず忙しい、面倒くさい、予算が無いと、乗る気ではない。
ここで“ステラさん”が「この方が自分で作るって言ってますけど・・・」と一押し。(笑)
カネが無いというので、私から「勿論、ボランティアですよ!私が無料で作ってあげますよ」と畳み掛ける。(大笑)
「それなら、大いに結構です。どうぞ作って下さい」と館長がニッコリ・・・
これで余計な仕事が増えちゃった・・・(大笑)
まぁ、仕方がないか・・・最初からそのつもりでいたから、自分で作るか・・・

戦車用(推定)のジャッキ

(平成24年4月28日来館時に撮影)

旅日記参照)

前回、気になっていた戦車搭載のジャッキ・・・・
これが何か館長は知らなかったので説明をしてあげて、入手先を尋ねたら、ここストッチェンバーグで発掘されたものだという。
ちなみに、この博物館が建っている場所は、戦時中、日本軍のストッチェンバーグ病院が建っていた場所である。
この地で発掘されたものだということは・・・
独立戦車第8中隊の戦車のものということになるな・・・
この地区に派遣された戦車部隊は、この中隊しかなかったはずである。

その他、車載機銃などの入手先は、地元在住の日本人が集めたものらしく、その人から委託されて展示しているという。
後日、その方を紹介してくれると館長・・・
その他にも地元の著名な歴史家のディゾンさんという方も紹介してくれるという。
この方のお名前は聞いたことがある。
ご高齢で最近体調を崩しているらしいので、事前にアポを取らねば面会できないという。
“本物”の歴史家と“ほとんど偽者”の本を出版したこともない「歴史家」の私が会うなんて・・・ちょっとプレッシャーがかかり過ぎるが・・・(笑)
ここは踏ん張り所か?
いやはや・・・話がドンドン進んでしまった。(汗)

「今度はいつ来るのか?今度来る時は事前にアポを取って欲しい」と館長が言うので、“ステラさん”を連絡係ということに決めて、次回また会う約束をする。
で・・・館長・・・
「今度来るときは、日本のタバコと日本茶を持ってきてくれませんか?」とのこと。
「お金を先に渡しておきますから・・・」というので、お土産として持ってくるからとお金を断る。
次回って言っても、いつまた来るかは決めてないんだから・・・お金を預かるのは気が引ける・・・(大笑)

忙しいだの何だかんだの言いながらも、館長は1時間以上も時間を割いてくれた。
突然の訪問なのに・・・いや、感謝、感謝である。

私が展示品の英文の説明文を作るという課題が出来てしまったが・・・・
充実した訪問となった!
満足、満足!
さぁ、頑張らねば!・・・・苦手な英語・・・(大笑)

さて・・・今日の予定は終わってしまった!(大笑)
どこでどう、話が展開するかわからなかったので、博物館訪問のため丸一日予定は空けておいたのであるが、午前中で話は終わってしまった。(汗)
とりあえず、マニラに戻りますか・・・ということにする。

で・・・昼食・・・
これも、どこで食べるかは決めていなかった。
“ステラさん”にどうするか決めてもらおうとしたら・・・「ちょっと贅沢をしてもいいですか?」と言う。
「別にいいですけど・・・」
「本当に贅沢していいですか?」
「へっ?別にいいですけど・・・どこで食べます?」
「日本料理などはどうでしょうか?」
「おお!大いに結構!行きましょう!」
「あの・・・ドライバーさんも一緒でいいですか?」
「当然!」(大笑)

ということで・・・以前、行ったことのあるマニラ市内の日本料理店で昼食を食べることにする。
現地では日本料理は高価なのだろう。
私は経済観念がないから気にしないけど・・・(笑)

昼食

サンマの塩焼き定食である!
3年前に、ここで食べた「サンマの塩焼き定食」を今回も食べる・・・
あの時は、我が戦友会の“藤井さん”と一緒にこれを食べたのである。
“藤井さん”のお兄さんは機動歩兵第2連隊の兵士として、ここルソン島で戦い生還したが、戦後お亡くなりになられた。
そこで物故者遺族として“藤井さん”が会員を継承したが、“藤井さん”も海軍の少年兵としてフィリピンで戦って生還した方である。
戦時中は、兄がルソン島で弟がミンダナオ島で戦っていたとはお互いに知らなかったそうで、戦後復員した時に、兄弟してフィリピンで戦っていたことを知ったそうである。
“藤井さん”がミンダナオ島のダバオに従軍していたのは17才ぐらいの時だったという。
復員後、一度も現地を訪れていないので、死ぬ前に一度だけでもいいから現地を訪問したいから連れて行ってくれと頼まれて、3年前に2人で一緒に旅をしたのである。(旅日記参照)
その時もガイドは“ステラさん”に頼んだのである。
「これ、“藤井さん”と一緒に食べたんだよねぇ~」(笑)
「“藤井さん”!お元気ですか?」と“ステラさん”
「はい、大阪で・・・元気でいますよ!」(笑)
懐かしいなぁ~
このサンマの塩焼き定食は、そんじょそこらの定食とは違うのである。
“藤井さん”との旅の思い出の詰まった定食なのである!(笑)
もう、歩くのが不自由になったそうで、一緒にフィリピンを旅することが出来なくなったのが寂しいが・・・
3年前の旅を思い出しながら食べる・・・・

さて、この後はどうしようか・・・ということで・・・
博物館好きの私は、「空軍博物館」へ連れて行ってもらうことにした。
ホテルにチェックインするには、ちょっと早いからね・・・
ここは初めての訪問である!(大喜)

 フィリピン空軍博物館

私は博物館とか資料館とかが大好きなのである!(笑)
なぜそうなったのか・・・・
小さいときに母に国立科学博物館に連れて行ってもらったのがきっかけではなかろうかという気がする。
もう、博物館・資料館となると血が騒いでしまうのである。(大笑)

見学者が殆どいなかったせいか、受付にいた空軍の兵士が、館内を案内してくれた。

この案内してくれた空軍の兵士に「スカボロー礁」について尋ねてみた。
現在、この場所は台湾、中国と領有権の問題で揉めている。
台湾はこの「スカボロー礁」を台湾領だと言っているが、ルソン島の直ぐ西に位置する場所である。
ここが台湾領ならルソン島も台湾領でないと筋が通らぬような気がするが・・・(笑)
中国に至っては論外である!(怒)
にもかかわらず、ここへ平然と船を送り込み、実効支配を企んでいるのである。
で・・・どう思う?(笑)
この兵士・・・困った顔をして苦笑・・・
そりゃ立場上、変なことは言えないか・・・(大笑)

ここには日本軍関係のものも展示されていた。
が・・・なぜか陸軍のものである。
空軍博物館なのにねぇ~(大笑)

日本軍関係の展示コーナー

この博物館がある空軍基地内(当時はニコラス飛行場と呼ばれていた)から発掘されたらしい九二式重機関銃と、出所不明の九九式騎銃などが展示されていたので、この空軍兵士に説明してあげたら「この人は何者?」と彼が“ステラさん”に尋ねた。
ステラさん曰く・・・「この方は、日本から来た歴史家です。軍関係の歴史が専門です。」
大笑いである。
クラーク博物館で調子付いちゃったかな・・・(大笑)

ここには、小野田さんの資料も展示されている。
戦後、ルバング島から生還した元日本兵の小野田少尉の資料である。
またまた何で空軍博物館に展示されているのかわからないが・・・
尋ねようと思ったら、さっきまで一緒にいた空軍の兵士はどこかへ“逃げ”ちゃっていた。(苦笑)
いや、多分、ほかに仕事があったのだろう・・・

小野田元少尉のコーナー
B-29爆撃機に使われていたものと同型のエンジン
Wright Cyclone Engine R-3350-30

This eighteen(18) cylinder Reciplo, cating
aircraft engine is similar to the Engines of
the B-29 Bombers of the USAF that
dropped the Atomic bomb in Japan.

Used as a training aid to the numerous
aircraft Technicians and Mechanics of the
100th Training Wing in Fernando Air
Base, Lipa city, Batangas.
F-5A戦闘機の射撃システム
Northrop F-5A Gun System

The Northrop F-5A Freedom Fighter That was first acquired by the PAF in 1965
is suitablefor various types of ground-support and aerial intercept missionsand is
armed with two(2) 20mm (0.787 in) Pontiac M39A2 lightweight cannons
mounted in the nose of the aircraft and has a capacity of 280 rounds ammo per
cannon.

こう言っては失礼かもしれないが・・・
非常に“素朴”な博物館でして・・・(笑)
展示品はそれほどないのだが、結構、時間をかけて見ていたせいか・・・・
“ステラさん”までもが、いつの間にかいなくなってしまった!(苦笑)
多分、呆れちゃったんだろうなぁ~(大笑)

で・・・最後に、ミュージアムショップに立ち寄る。
小さな売店である。
お客は誰もいない・・・
店番のオバチャンも暇そうにしている・・・
ショーケースの中を見てみたら・・・・あった!あった!
「これ、ステッカーですか?」
「そうですけど・・・」
「やった!」(大喜)
彼女は何で私が喜んでいるのかわからないらしく、怪訝な顔をした。(苦笑)

実は、私はステッカーをスーツケースに貼るのが趣味なのである!(笑)
自分へのお土産は・・・ステッカー!
世界中、どこへ行っても・・・なのであるが・・・
最近では、このステッカーというものがなかなか見つからないのである。(涙)
昔は、ちょっとしたホテルには必ずといっていいほどホテルのステッカーというのがあった。
もう30年も前のことだが・・・
それをもらい、スーツケースにペタペタ貼ったものである。
タイ、マレーシア、シンガポール、香港、台湾・・・ホテルのものや、観光地の名前のもの、その都市の名前が入ったものや、その国の国旗など・・・
30年以上も前のステッカーを見て、へぇ~タイに行った時は、このホテルに泊まったのか・・・と懐かしい。
もう完全に記憶から消えているホテルなのだが、ステッカーが貼ってあるんだから泊まったんだろうねぇ~(汗)
今もこのホテルがあるかどうかは知らないけど・・・

最近ではそういうステッカーが見当たらない。
ようやくフィリピンの国旗のステッカーを見つけた!(大喜)
ついでにフィリピン空軍のステッカーも!
意味がわからぬアルファベットで書かれたものがあったので尋ねてみたら、タガログ語で「フィリピン空軍」という意味だそうだ。
それでは、わからないので英語で「フィリピン・エアフォース」と書かれたステッカーを購入することにする。
「え?買ってくれるんですか!」と言わんばかりに、この愛想のなかったオバチャンが急にニコリとしたのには笑ってしまった。(大笑)

ステッカーを買って喜んで博物館から出てきた52歳の私を見て、ドライバーも“ステラさん”も呆れ顔・・・(大笑)
わからねぇだろうなぁ~・・・・この嬉しさは・・・(苦笑)
最近はスーツケースにステッカーを貼るような旅行者は滅多にいないようである。
みなさん、綺麗なスーツケースを持って旅をしている。
ベタベタとステッカーを貼っているスーツケースなど持っている人は・・・まずいない。(汗)
多分・・・レンタルなんだろうねぇ~
これのいいところは、空港のターンテーブルから出てきたときに、直ぐに自分のスーツケースだとわかる点である!(大笑)
遠くから見ていても直ぐにわかる!
それと、もし誰かに持ち去られる心配もない。
目立ちすぎるから・・・(大笑)
黒やシルバーのスーツケースは格好がいいが、同じようなスーツケースが多いので空港で受け取るときに、自分のものかどうか迷ってしまうのである。
誰かに持ち去られても、自分のかどうか自信がなければ声もかけられまい?
その点、私のスーツケースは大丈夫!
ステッカーが目立ち過ぎて誰も盗めない!(大笑)

空軍博物館を見学して時間が潰せたので、ホテルに向かう。
途中、車のガソリンを満タンにしてあげる。
今回、車を借りる条件がこれ。
ドライバーが遠慮がちに自分の行きつけのガソリンスタンドまで行っていいかと言う。
「ポイントカードとか、スタンプとか集めてるんだろう?」と言ったら、「実はそうなんだ」と言う。(大笑)
大いに結構!
折角だから、ポイントは集めたほうがいい!(笑)

ホテルに到着・・・
セキュリティの“ルネ君”が飛んできて「オヒサシブリデス!」と日本語で言う。
3日前に会ったばかりじゃないか・・・(大笑)
彼は多分、「オヒサシブリデス」の意味はわかっていないのだろう。
知っている日本人に会ったら、そう言えばいいと誰かに教わったに違いない。(大笑)

ドライバー君にチップを渡し、ここでお別れ・・・・
3日間、御苦労様でした!ありがとう!
チェックインの手続きを済ませ、“ステラさん”とコーヒーラウンジでコーヒーを飲みながら雑談・・・・
今回の旅も大満足である!
感謝、感謝!
今晩の夕食は、ホテルのレストランで一人で摂ることになっている。
明日は帰国・・・・
午前11時半に迎えに来てくれるよう頼み別れる。

全館が禁煙というのは不便なものである。
タバコを吸いたくなったら、ロビーまで降りて行かねばならない。(涙)
すると・・・当然、“ポン引き君”に捕まってしまうのである。(大汗)
初日に会った“ポン引き君”・・・・と言っても私より一回りも年上だが・・・
「オンナ、ドウデスカ?」としつこい・・・
そうだ・・・
9年ぶりに夜の街を歩いてみようか・・・
私は、毎年のようにここに来るが、ホテルの外を歩くということは滅多にない。
9年前に冒険しただけである。
あの時に、客引きに捕まって連れて行かれた(苦笑)、ライブハウスのようなお店・・・
あそこに久しぶりに行ってみようか・・・
「向こうのほうは危ないですよ!」という“ポン引き君”の“忠告”を振り切り、夜の街を歩いてみる。
こちらは危ないのは承知のことで行くんだから・・・「わかってる!」・・・である!

9年前、どのあたりを歩いたのか、ブラブラ歩いてみる。
と・・・タクシーの運転手はクラクションを鳴らして乗れと誘うし、トライシクル(輪タク)の兄ちゃんも乗れと声をかけてくるし、当然、客引きも声をかけてくる。
いやはや、しつこいこと・・・・
強引に店に連れ込もうとするんだから、こちらも凄むしかない。

9年前と比べると、路上生活者が目立つ・・・
以前は、見かけなかったのだが・・・若い母親が赤ん坊と並んで路上で寝ているのである。
それも一人や二人ではない・・・
また、道端に座って物乞いする人も多い。
いやぁ~何だろう・・・これ・・・
「明日は我が身」か・・と、急に寂しくなる・・・・

結局、9年前に行ったお店は潰れて無くなっていた・・・
アメリカのポップスとか、結構、いい曲を生演奏していた店なんだけどなぁ~
残念・・・・

ホテルに戻ったら、また例の“ポン引き君”が現れた!(大笑)
「おい、どこかに生演奏を聞かせてくれる店はないか?」
「う~ん・・・あります!たしか・・・あります!」
「本当か?」
「はい!」
「どこにある?」
「車で行きましょう!」
車に乗るのは危険である。どこへ連れて行かれるか分かったもんじゃない。
「歩いて、どのくらいだ?」
「歩いて・・・20分!」
「よし!歩くぞ!案内してくれ」
「歩くんですかぁ~」
20分くらいなんということはないだろう?
なんで、そんなに歩きたがらないんだ?
夜の街を・・・歩く・・・

途中で近代的なデパートが・・・
「ロビンソン・・・知らないんですか?」と“ポン引き君”・・・
「知らん!」
「ええっ!何度もマニラに来てるのに?知らないんですか?ロビンソン!」と大笑い。
「知るもんか!デパートには用事はないんだから・・・」
「あ・・・そうですよね」

右に曲がり、左に曲がり・・・とメチャクチャな歩き方・・・
おい、おい・・・しっかり記憶していないとホテルに戻れなくなりそうだ。(大汗)
で・・・到着したと思ったら・・・店がない!
“ポン引き君”・・・周囲の人に尋ねまわっている。(唖然)
頼りないガイドである!(涙)
と・・・赤ん坊を抱いた若い女の子が、お店まで案内してくれると言う。
ロビンソンの近くだというのだ。
もと来た道を引き返すことになる。
途中、彼女が日本語で「危ないですから気をつけて!車が来ますから!」と私に声をかけてくれた。
日本語が上手なので尋ねてみたら、昔、日本で働いていたという。
浅草とか、群馬のフィリピンパブにいたそうである。
お店まで案内してもらい、助かった!(喜)
どうやら最近移転したのだそうである。
お礼に・・・赤ん坊に何か買ってあげてくれと、僅かだがチップを渡す。

で・・・このお店・・・
入場料が100ペソ(約200円)だという。
受付の女の子にシステムを聞いてみたら、100ペソでワンドリンク付き、午前2時までズ~ッといていいと言う。(大笑)
どれどれ、入ってみましょうか!
“ポン引き君”の分まで支払ってあげることにしたのだが、彼はチップと相殺されるんじゃないかと大いに気にしている。(苦笑)
「これはこれ、チップはチップであげるから付き合え!」
店内にはアベックの客が一組だけ・・・あらら・・・である。
ステージでは生演奏が!
う~ん・・・うまい!
いい声である。
飲み物は・・・お酒はやめてコーラにする。
酔って判断力と注意力が鈍ったらヤバイ・・・
1時間ほど、ここでライブを聞いてホテルに戻ることにした。
このお店・・・「アナック(息子)」という歌を歌う歌手がオーナーの店で、結構有名な店なのだそうだ。
「アナック」という歌は日本で杉田二郎という歌手が日本語で歌っていたと思う。
私が中学生の頃だったのではないかと思うが・・・
実は、私が生まれて初めて聴いたライブは地元ラジオ局主催の杉田二郎コンサートだったのである。
今はどうしているんだろう・・・杉田二郎さん・・・・

200円で楽しめるとは・・・いい店を見つけた!
次回、フィリピンに来た時もここに来ようかな。

「で・・・オンナ・・ドウデスカ?」
なんでそこだけ日本語なんだか・・・“ポン引き君”!
私の“楽しみ”がわかっておらんようだねぇ~
帰り道・・・女の子に「こんばんわ」と英語で声をかけられた。
ん?すごい美人である。スタイルもいい・・・
が・・・ストリートガール・・・「街娼」「売春婦」である。(汗)
「はぁ~い!こんばんわぁ~!」返事だけしてサッサと通り過ぎる。
美人だろうが何だろうが、この手の売春婦は管理されていないだけにヤバイ・・・
「病気移されますよ」と“ポン引き君”・・・
「そうだろうねぇ~」(笑)
「彼女たちはIDを持っていないと思いますし・・・」と“ポン引き君”・・・
ホテルに連れ込むには、IDカードを彼女たちはホテルのフロントに預けなければならないのだそうだ。
そのIDを持っていなければ、自分が宿泊しているホテルではなく、多分、“連れ込み宿”に・・・ということになるだろう。
で・・・睡眠薬入りの酒を飲んでダウン・・・・
気がついたら、財布の中身は空っぽ・・・最後は、こういうことになる。
今年のゴールデンウィークでは、日本から来た観光客が何人もこの犯罪に引っかかっている。
地元の日本語新聞には記事が載ったが、当然、日本では報道はされない。(苦笑)
まぁ、命があるだけ良しということである。

ホテルに戻り、“ポン引き君”にチップを渡してお別れ!
と・・・相変わらず「オンナ・・・イラナイ?オンナ!」
あのな・・・しつこいって!
直ぐにホテルのセキュリティが大声をあげて吹っ飛んできた!
「大丈夫ですか!何かトラブルでもありましたか?」といいながら“ポン引き君”を叱りつける。
「いや、何も問題はないよ~」(苦笑)
“ポン引き君”がホテルの前で商売をするためには、ホテルのセキュリティにチップだか売上だかの10%を支払わなくてはならないと彼が言っていたので・・・
多分、今頃、拙者からいくらもらったんだとセキュリティにたかられていることだろう・・・・と思いながら部屋に戻る。(大笑)

今晩は充実した「夜の観光」が出来た!
いい音楽も聴けたし!
満足、満足・・・・
今晩もまたマッサージを呼んで、ウトウトしながら揉んでもらう。(喜)

平成24年(2012年)10月19日・5日目

今日は、帰国する日・・・

少し遅めにホテル内のレストランに行って朝食をとる。
遅いほうが空いていると思っていたのだが・・・結構お客さんが多い・・・
しかも、韓国人が目立つ。
いやはや、最近は、年々韓国人の観光客が増えているようだ。
韓国人はマナーの悪さでは“定評”があるが、幸い、それほどマナーの悪い客はいなかった。(苦笑)

11時、チェックアウトのため荷物を持ってロビーへ・・・
既に“ステラさん”が到着していて待っていてくれた。
で・・・チェックアウト・・・
はい、予想通り、トラブル!(大笑)
スタッフを入れ替えたせいか・・・
以前から時々こういうことはあったが・・・
昨晩の夕食代がデポジットから引かれていた。(唖然)
昨日のチェックインの際にデポジット(保証金)を預けており、何も問題が無ければそのまま返してもらえる。
ところが、返金額は半額!
あれ?何で?・・・・である。
昨晩の一泊は夕食・朝食付きで予約されていたはずで、夕食代が別のわけがない。
指摘したら・・・モタモタ何か調べて・・・
「あ、すみませんでした・・・」である。(唖然)
あぶねぇ、あぶねぇ・・・大損するところだった・・・・(大汗)

11時半、空港へ・・・・
今回は、私に嫌がらせをする空港職員にも会わずに済み、スムーズに搭乗口へ・・・
いつも立ち寄る喫煙所・・・
ここはコーヒーショップになっていて、何か注文しないと椅子に座ることは出来ないシステム。
が・・・横柄な韓国人は何も注文もせず平気で座り、店員に席を空けるように注意されている。
それでも、相変わらず、人目を盗んで・・・の態度・・・
やっぱり韓国人はマナーが悪い。
次に目立つのが日本人のヤクザ風な連中・・・・
本来は“ヤクザ”は入国できないはずなのだが・・・一見してヤクザ風な男がいるということは、どういうことか?
ヤクザかどうかはわからないが、とにかく柄が悪く、品がない・・・・
こういう日本人と同じだとは思われたくないものである。
私は空港でこういう輩を目にするのはとにかく嫌なのである。
話の内容は・・・フィリピンにいる愛人だかなにかとヤリまくった話である。
ガラガラ声の大声で自慢話・・・・
いやはや、幼稚な・・・・(大汗)

サンドイッチとコーラを頼んで、一服しながら軽い食事をとる。
いつものパターンである。(笑)
読書をしながら搭乗時間まで待つ・・・・

機内は帰りも空いていた・・・
やっぱりシーズンオフ?
雨季がまだ開けず、天候が悪い時期だからフィリピンに行く人も少ないのかも・・・
それにしても、雨に降られずに旅が出来たのは嬉しかった。
いやぁ~普段の行ないがいいんだろうねぇ~・・・やっぱり・・・(大笑)

帰りの機内食・・・・
今度はちゃんとパンが付いていた・・・(大笑)

機内食

成田空港に到着し、早速、喫煙所へ・・・
ところが、最近は喫煙所の外でタバコを吸う者が多くなっているのには呆れた。
以前は、注意したが・・・・
今回は注意するどころじゃない・・・人数が多すぎる・・・(唖然)
日本人も韓国人に劣らずマナーが悪くなったものである。
私は、これを「日本人の韓国人化」「日本人の中国人化」と呼んでいる。(笑)
人間の質が落ちたな・・・

無事に成田空港近くのホテルにチェックインして、今回の旅を終える。

~終わり~



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