中村不折像 平成16年7月11日

中村不折 なかむら・ふせつ

慶応2年7月10日(1866年8月19日)〜昭和18年(1943年)6月6日

東京都台東区根岸・『書道博物館』(旧宅跡)でお会いしました。


本名はニ太郎さくたろう
漢籍を学び長野で教員をしていたが、上京して小山正太郎に入門。
明治34年(1901年)、渡仏してアカデミー・ジュリアンでジャン・ポール・ローランスに師事。
帰国後は太平洋画会や官展に出品。
昭和9年(1934年)太平洋美術学校校長に就任。
帝国美術院会員・芸術院会員。
歴史画を得意としましたが、書にも優れ、碑版法帖ほうじょうの収集にも努めました。


中村不折胸像



中村不折胸像






(平成16年7月11日)

中村不折について

中村不折(1866−1943)は、明治・大正・昭和にわたり、洋画界と書道界の両分野において大きな足跡を残した人物である。
画家を志した不折は、小山正太郎(1857−1916)の薫陶を受けた後、フランスのアカデミー・ジュリアンに入学し、ジャン=ポール・ローランス(1838−1921)の指導のもと、約4年間かけて人物画を徹底して学び、緻密な構図をベースに躍動的で力強い写実主義を確立した。
帰国後は、自らの作品を精力的に制作し展覧会に出品する一方で、太平洋画会研究所において後進の育成にあたり、後にその校長を務めるなど、教育者としても大いに貢献した。
ところで、洋画家として出発した不折が書道研究に傾倒した最大の契機は、日清戦争従軍記者として中国へ赴いたことにある。
この機会に約半年をかけて中国、朝鮮を巡遊し、後の彼の書に少なからぬ影響を与えた碑拓などをはじめ、漢字成立の解明に寄与しうる考古資料を目にし、それらを日本へ持ち帰ることを得たのである。
書においては、こうした資料から多くを学び、なかでも北派の書を根底とした、不折独自の大胆で斬新な書風を展開したことで知られている。
中村不折記念室では、不折がフランス留学中に勉強したデッサンをはじめ、晩年の油彩画や、水彩画、南画、書など不折自身の作品と、不折の手がけた文学作品の挿絵、装丁の類を展示している。
また、不折と交流のあった正岡子規夏目漱石など、文豪たちの書簡も同時に展示している。

(書道博物館のリーフレットより)


書道博物館



書道博物館(中村不折旧宅跡)

(東京都台東区根岸2−10−4)




(平成16年7月11日)

東京都指定史跡
中村不折旧宅(書道博物館)

所在地 台東区根岸2丁目10番4号
指定 昭和27年11月3日

中村不折は、明治・大正・昭和初期の洋画家で書家であり、慶応2年(1866)7月10日江戸八丁堀に生まれた。
幼名をニ太郎という。
少年時代を長野で過ごし明治20年(1887)上京し、浅井忠や小山正太郎に師事し、明治美術会に出品するほか、「小日本」新聞の挿絵なども担当していた。
明治34年(1901)から4年間フランスに留学し、ラファエル・コランやジャン=ポール・ローランスの教えを受けた。
帰国後は、太平洋画会や帝国美術院の会員として展覧会活動を行う一方、太平洋美術学校校長として後進の育成にも力を入れ、多くの逸材を育て美術教育にも貢献した。
書道界では、書家としての活動の他に書道博物館の創設者としても知られている。
昭和11年(1936)11月3日に開館した書道博物館は、中国と日本の書道史研究上重要なコレクションを有する専門博物館で、重要文化財12点、重要美術品5点を含む1万6千点が収蔵されている。
昭和20年(1945)4月の空襲で中村邸の居宅と蔵は焼失してしまったが、博物館とその収蔵資料および不折の胸像や石灯籠などは焼失を免れた。
不折は大正2年(1913)から亡くなるまでの30年間、この根岸の地に住んだ。
昭和18年(1943)6月6日78歳で死去、多磨霊園に葬られた。

平成13年3月31日 設置
東京都教育委員会

(説明板より)

書道博物館のあらまし

書道博物館は、洋画家であり書家でもあった中村不折が、その半生40年あまりにわたり独力で蒐集した、中国及び日本の書道史研究上重要なコレクションを有する専門博物館である。
殷代の甲骨に始まり、青銅器、鏡鑑、瓦当、■、陶瓶、璽印、石経、仏像、碑碣、文房具、碑拓法帖、経巻文書など、重要文化財12点、重要美術品5点を含む東洋美術上貴重な文化財がその多くを占めている。
こうしたコレクションと、昭和11年11月に開館した当初の博物館建設費は、すべて不折自身の絵画や書作品の潤筆料から資金をい捻出したものであり、その遺業は日中書道史上においても特筆されるべきものであった。
書道博物館は、開館以来約60年にわたって中村家の手で維持・保存されてきたが、平成7年12月に台東区に寄贈された。
これを受けた区が、本館のリニューアルと、中村不折記念館建設による収蔵・展示スペースの確保を目指し、平成12年4月に再開館させたのが現在の書道博物館である。
書道博物館は本館と中村不折記念館からなる。
本館には金石学に密接な関係のある、文字の刻まれた、あるいは書き込まれた収蔵品を展示しており、漢字の書法や文字の歴史をたどる上で非常に重要な資料を目にすることができる。
書道というと紙本墨書の類を考えがちであるが、それらの原点である金石関係の文字資料を数多く収蔵していることが、書道博物館の大きな特色ともいえるだろう。
中村不折記念館には碑拓、法帖や紙本墨書の類を陳列している。
収蔵品の保存を第一に考え、特に紙本墨書関係は気候を考慮しながらの展示であるため陳列期間は短いが、特別展示室では重要文化財や稀少な名品なども見ることができる。
また、ここには中村不折記念室を設け、不折の作品やその関係資料も展示している。

(リーフレットより)

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台東区立 書道博物館
開館時間:午前9時30分〜午後4時30分
休館日:月曜日(休日の場合は翌日)・年末年始・特別整理期間
入館料:一般=500円、児童・生徒=250円
交通:JR鶯谷駅北口下車 徒歩5分 (駐車場はありません)

中村不折  書道



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